「セッション」と「PV」の違い、ちゃんと理解していますか?Webサイト分析でよく使われるこれらの指標、混同しやすい上に、正しく理解していないと効果的なWebマーケティング施策を打てません。この記事では、セッションとPVの明確な定義、計測方法、そして両者の違いを具体的な例を用いて分かりやすく解説します。さらに、表示回数、インプレッション、ユーザー数といった関連指標との違いも徹底的に比較。GoogleアナリティクスやSearch Consoleでの確認方法まで網羅しているので、この記事を読めば、Webサイト分析に必要な基礎知識をしっかり身につけることができます。SEOやWeb広告の効果測定、サイト改善に役立つ知識が満載なので、ぜひ最後まで読んで理解を深めてください。そして、あなたのWebサイトを成功に導きましょう。
1. セッションとは
ウェブサイトへのアクセス状況を分析する上で、セッションは非常に重要な指標です。ユーザーの行動を理解し、ウェブサイトの改善に役立てるために、セッションの意味と計測方法を正しく理解しておきましょう。
1.1 セッションの定義
Googleアナリティクスにおけるセッションの定義は、ウェブサイトへの一連のインタラクションです。ユーザーがウェブサイトにアクセスし、何らかの操作を行ってから離脱するまでが一連の流れとして計測されます。この一連の流れがセッションと呼ばれ、アクセス解析の基本単位となります。
1.2 セッションの計測方法
セッションは、主に以下の基準で計測されます。
- アクセス開始:ユーザーがウェブサイトにアクセスした時点
- アクセス終了(タイムアウト):30分間操作がない場合、セッションは終了とみなされます。ただし、設定変更によりこの時間は調整可能です。
- 日付の変更:深夜0時を過ぎると、新しいセッションとしてカウントされます。
- キャンペーンソースの変化:異なるキャンペーン経由でアクセスした場合、新しいセッションとしてカウントされます。例えば、最初にオーガニック検索でアクセスし、その後、広告をクリックして再度アクセスした場合、それぞれ別のセッションとして計測されます。
- 特定のイベントの発生:Googleアナリティクスで設定した特定のイベントが発生した場合、新しいセッションとしてカウントされる場合があります。これは個別に設定が必要となります。
これらの基準を理解することで、セッション数がどのように変化するのかを正確に把握できます。
1.3 セッションと訪問数の違い
従来のアクセス解析ツールでは、「訪問数」という指標が使われていましたが、Googleアナリティクスでは「セッション」という指標を使用しています。訪問数は、ユーザーが一日何回アクセスしても1回とカウントするのに対し、セッションは、上記で説明した基準に基づいて複数回カウントされる場合があります。 つまり、同一ユーザーが1日に複数回アクセスした場合、訪問数は1ですが、セッション数は複数になる可能性があります。この違いを理解することが重要です。
指標 | 定義 |
---|---|
セッション | 一連のインタラクション |
訪問数 | 一日あたりのユニークユーザー数 |
セッション数は、ユーザーのエンゲージメントをより詳細に分析するために重要な指標となります。例えば、1人のユーザーが1日に複数回ウェブサイトにアクセスし、それぞれ異なるページを閲覧している場合、セッション数を見ることで、ユーザーの興味関心の度合いをより深く理解することができます。
2. PV(ページビュー)とは
PVとは、Page Viewの略で、Webページが表示された回数を指します。ユーザーがWebサイトを訪れ、ページを読み込むたびに1PVとしてカウントされます。同じページを何度もリロードした場合も、その度にPVとしてカウントされます。Webサイトの人気を測る指標の一つとして用いられます。
2.1 PVの定義
PVは、Webページがブラウザに表示された回数をカウントしたものです。ユーザーがサイトを訪れ、ページが読み込まれるたびに1PVが加算されます。ページ内に複数の画像や動画があっても、ページが一度表示されれば1PVです。ただし、キャッシュから読み込まれた場合はカウントされません。
2.2 PVの計測方法
PVは、主にアクセス解析ツールを用いて計測します。代表的なツールとしてはGoogleアナリティクスが挙げられます。これらのツールは、JavaScriptなどのコードをWebページに埋め込むことで、ページの表示状況を記録し、PVを計測します。また、サーバーログを解析することでもPVを計測できます。 主要なアクセス解析ツールは以下の通りです。
ツール名 | 特徴 |
---|---|
Googleアナリティクス | 無料で利用できるアクセス解析ツール。詳細なデータ分析が可能。 |
Adobe Analytics | 有料のアクセス解析ツール。高度な分析機能とカスタマイズ性が高い。 |
Yahoo!アクセス解析 | 無料で利用できるアクセス解析ツール。シンプルな操作性で初心者にも使いやすい。 |
2.3 PVが高いことのメリット
PVが高いことは、Webサイトへのアクセス数が多いことを示し、多くのユーザーに閲覧されている可能性が高いことを意味します。これは、Webサイトの認知度向上、ブランドイメージの向上、広告収入の増加など、様々なメリットにつながります。 PVが高いことは、必ずしもビジネスの成功を保証するものではありませんが、Webサイトの成長にとって重要な指標の一つであることは間違いありません。 具体的には以下のようなメリットがあります。
- Webサイトへのアクセス数の増加:多くのユーザーがサイトを訪れていることを示します。
- ブランドイメージの向上:人気のあるWebサイトとして認知され、ブランドイメージの向上に繋がります。
- 広告収入の増加:広告掲載による収益増加が見込めます。
- SEO効果の向上:検索エンジンからの評価向上に繋がり、検索結果で上位表示されやすくなります。
- ユーザーエンゲージメントの向上:ユーザーがサイトに滞在する時間が長くなり、コンテンツへの関心が高まります。
ただし、PVのみに注目するのではなく、直帰率や滞在時間といった他の指標も合わせて分析することで、より効果的なWebサイト運営を行うことができます。 例えば、PVが高くても直帰率が高い場合は、コンテンツの内容がユーザーのニーズに合っていない可能性があります。また、滞在時間が短い場合は、コンテンツが読みにくい、もしくは興味を引く内容ではない可能性があります。これらの指標を総合的に判断することで、Webサイトの改善点を洗い出し、より多くのユーザーに価値を提供できるWebサイト作りを目指しましょう。
3. セッションとPVの違い
ウェブサイト分析において、セッションとPV(ページビュー)はどちらも重要な指標ですが、それぞれ異なる意味を持ちます。混同しやすいこれらの指標の違いを理解することは、ウェブサイトの現状を正しく把握し、効果的な改善策を講じる上で不可欠です。この章では、セッションとPVの違いを具体的な例を交えて解説し、どちらの指標を重視すべきかについて考察します。
3.1 具体的な例で見るセッションとPV
例えば、あるユーザーがあなたのウェブサイトにアクセスし、トップページ、サービス紹介ページ、お問い合わせページの3ページを閲覧し、その後ウェブサイトを離れたとします。この場合、セッション数は1ですが、PVは3となります。
別の例として、別のユーザーがあなたのウェブサイトにアクセスし、トップページのみを見て離れたとします。その後、30分後に再び同じユーザーがウェブサイトに戻ってきて、ブログ記事を2つ閲覧したとします。この場合、セッション数は2、PVは3となります。最初のアクセスから30分以上経過しているため、Googleアナリティクスでは別のセッションとしてカウントされるからです。
このように、セッションはユーザーの訪問回数、PVはページの閲覧回数を表しています。同じユーザーが複数ページを閲覧すればPVは増加しますが、セッション数は1のままです。逆に、同じユーザーが時間を置いて複数回ウェブサイトにアクセスすれば、セッション数は増加しますが、1回の訪問で閲覧したページ数によってPVは変動します。
指標 | 意味 | 例 |
---|---|---|
セッション | ウェブサイトへの訪問回数 | ユーザーAが1回訪問し3ページ閲覧:1セッション ユーザーBが2回訪問し計3ページ閲覧:2セッション |
PV | ページの閲覧回数 | ユーザーAが1回訪問し3ページ閲覧:3PV ユーザーBが2回訪問し計3ページ閲覧:3PV |
3.2 セッションとPV、どちらを重視すべきか
セッションとPV、どちらの指標を重視すべきかは、ウェブサイトの目的によって異なります。例えば、ECサイトのようにコンバージョン(購入)を重視するウェブサイトでは、セッション数よりもコンバージョン率が重要になります。多くのユーザーがウェブサイトに訪問しても、商品が購入されなければ意味がないからです。そのため、セッション数よりも、訪問したユーザーがどれだけ商品を購入したかを示すコンバージョン率を重視し、改善に努める必要があります。
一方、ブログサイトのように情報提供を目的とするウェブサイトでは、PVを重視することが重要になります。多くのユーザーに情報を届けるためには、多くのページを閲覧してもらう必要があるからです。そのため、質の高いコンテンツを作成し、SEO対策を施すことでPV数を増加させることに注力する必要があります。ただし、PV数だけを追い求めるのではなく、ユーザーエンゲージメントも同時に考慮する必要があります。滞在時間や直帰率といった指標も確認し、ユーザーが本当にウェブサイトのコンテンツに興味を持っているかを分析することが重要です。
また、セッションとPVの両方をバランス良く見ていくことも重要です。セッション数が多いにも関わらずPV数が少ない場合は、ウェブサイトの回遊率が低い可能性があります。ユーザーがウェブサイトにアクセスしても、すぐに離脱してしまっていることを示唆しています。このような場合は、ウェブサイトの構成やコンテンツを見直し、ユーザーがより多くのページを閲覧するように改善する必要があります。逆に、セッション数が少ないにも関わらずPV数が多い場合は、リピーターが多い可能性があります。ただし、新規ユーザーの獲得ができていない可能性もあるため、新規ユーザー獲得のための施策も検討する必要があります。
最終的には、ウェブサイトの目的に基づいて、どの指標を重視するかを決定する必要があります。それぞれの指標の意味を正しく理解し、ウェブサイトの現状を分析することで、効果的な改善策を導き出すことができます。
4. 表示回数とは
表示回数とは、ウェブサイトの特定のページや要素が表示された回数を指します。ページ全体が表示された場合だけでなく、ページの一部が表示された場合もカウントされます。スクロールによってコンテンツが画面に表示された場合も表示回数に含まれます。ただし、ページがキャッシュから読み込まれた場合は、表示回数にはカウントされない場合があります。表示回数は、ユーザーのウェブサイト上での行動を理解し、コンテンツの表示状況を把握するために重要な指標です。
4.1 表示回数の定義
表示回数は、ユーザーの画面にウェブサイトやアプリのコンテンツが表示された回数をカウントしたものです。ページが完全に読み込まれた場合だけでなく、ページの一部が画面に表示された場合も1回とカウントされます。 例えば、長い記事をスクロールして新しいコンテンツが画面に表示されるたびに、表示回数は増加します。また、ユーザーが同じページを複数回訪問した場合、訪問ごとに表示回数が加算されます。ただし、ブラウザのキャッシュからページが読み込まれた場合は、表示回数にはカウントされません。これは、サーバーへの新たなリクエストが発生しないためです。
4.2 表示回数の計測方法
表示回数は、JavaScriptなどのスクリプトを使用して計測されます。ページに埋め込まれたスクリプトは、ユーザーのブラウザのスクロール位置や画面サイズを検出し、コンテンツが表示されたタイミングを判断します。 この情報は、ウェブサイトの分析ツールに送信され、表示回数として記録されます。一般的なウェブサイト分析ツールでは、ページごとの表示回数や、ページ内の特定の要素の表示回数を計測することができます。
4.3 Googleアナリティクスにおける表示回数
Googleアナリティクスでは、表示回数はイベントトラッキング機能を使用して計測されます。イベントトラッキングは、ページビュー以外のユーザー操作(ボタンのクリック、動画の再生など)を計測するための機能ですが、スクロールによるコンテンツの表示もイベントとして設定することで、表示回数を計測できます。Googleアナリティクス4では、スクロールの深さを追跡する機能が強化されており、より詳細な表示回数のデータを取得することが可能です。
また、上記の仕組みを利用し、PV数がWebページの表示回数のみをカウントしているのに対し、表示回数はアプリの表示もカウントしているのも大きな違いです
Googleアナリティクスで表示回数を計測するためには、Googleタグマネージャーなどのタグ管理ツールを使用して、適切なトラッキングコードをウェブサイトに実装する必要があります。 トラッキングコードは、コンテンツが表示されたタイミングでイベントを送信するように設定する必要があります。設定が完了すると、Googleアナリティクスのレポートで表示回数のデータを確認することができます。
指標 | 定義 | 計測方法 |
---|---|---|
ページビュー | ページが読み込まれた回数 | ページの読み込み時に計測 |
表示回数 | コンテンツが表示された回数 | スクロールイベントなどで計測 |
ユニークページビュー | セッション中に同じページが複数回読み込まれた場合でも、1回としてカウント | セッションIDとページURLを組み合わせて計測 |
上記のように、Googleアナリティクスでは表示回数以外にも様々な指標を計測することができます。これらの指標を組み合わせることで、ウェブサイトのユーザー行動をより深く理解することができます。例えば、ページビューと表示回数を比較することで、ユーザーがページ全体を閲覧しているか、それとも一部だけを閲覧しているかを判断することができます。また、ユニークページビューと比較することで、ユーザーが同じページを繰り返し閲覧しているかを確認することができます。これらの情報を元に、コンテンツの改善やウェブサイトの最適化を行うことができます。
5. インプレッションとは
インプレッションとは、Webページや広告が表示された回数のことです。ユーザーが実際にそのコンテンツを見たかどうかに関わらず、ブラウザに表示された時点で1インプレッションとしてカウントされます。SEOにおいては、検索結果ページにサイトが表示された回数として用いられます。
5.1 インプレッションの定義
インプレッションは、コンテンツが表示されるたびにカウントされます。例えば、ユーザーが同じページを複数回リロードした場合、その回数だけインプレッション数が増加します。また、検索結果ページにおいて、同じサイトが複数のキーワードで表示された場合も、それぞれがインプレッションとしてカウントされます。ソーシャルメディアのフィードに投稿が表示された場合も、インプレッションとしてカウントされます。広告配信においては、広告が表示されるたびにインプレッションとしてカウントされ、広告費用はインプレッション数やクリック数に基づいて計算されることが多いです。インプレッション数は、コンテンツの露出度合いを示す重要な指標となります。
5.2 インプレッションと表示回数の違い
インプレッションと表示回数は、よく似た概念ですが、微妙な違いがあります。インプレッションは、前述の通り、コンテンツが画面に表示された回数です。一方、表示回数は、Googleアナリティクスにおける指標で、特定のページが表示された回数を示します。インプレッションはより広範な概念であり、検索結果ページやソーシャルメディアフィードなど、様々な場面で使われます。表示回数は、Googleアナリティクスという特定のツールにおける指標であり、ウェブサイト内のページビューに近い概念です。
指標 | 定義 | 計測範囲 |
---|---|---|
インプレッション | コンテンツが表示された回数 | 検索結果、ソーシャルメディア、広告など |
表示回数 | Googleアナリティクスにおける特定ページの表示回数 | ウェブサイト内 |
例えば、ユーザーがGoogle検索で特定のキーワードを検索し、検索結果ページにあなたのサイトが表示されたとします。この時点で1インプレッションがカウントされます。ユーザーがあなたのサイトをクリックせずに、別のキーワードで再度検索を行い、再びあなたのサイトが検索結果に表示された場合、さらに1インプレッションが加算されます。ユーザーがあなたのサイトをクリックしたかどうかは、インプレッション数には影響しません。
一方、ユーザーが検索結果からあなたのサイトをクリックしてアクセスした場合、Googleアナリティクスでは1ページビュー、そして1表示回数がカウントされます。ユーザーがサイト内の別のページに移動した場合、さらに1ページビューと1表示回数が加算されます。同じページを複数回リロードした場合も、その回数だけ表示回数は増加します。
インプレッション数が多いということは、それだけ多くの人々にあなたのサイトが露出していることを意味します。しかし、インプレッション数が多いだけでは、必ずしもアクセス数やコンバージョン数の増加に繋がるわけではありません。インプレッション数と合わせて、クリック率やコンバージョン率などの指標も分析することで、より効果的なWebマーケティング戦略を立てることができます。
6. ユーザー数とは
ユーザー数とは、Webサイトやアプリにアクセスしたユニークユーザーの数を指します。 つまり、同じユーザーが1日に複数回アクセスした場合でも、ユーザー数としては「1」とカウントされます。 アクセスログのIPアドレス、ブラウザのCookie情報などを元に計測され、Webサイトの人気を測る上で重要な指標の一つです。
6.1 ユーザー数の定義
ユーザー数は、一定期間内にWebサイトまたはアプリにアクセスした異なるユーザーの数を示します。 重複アクセスは排除されるため、純粋な訪問者数を把握できます。 新規ユーザーとリピーターユーザーを区別して計測することも可能です。Googleアナリティクスでは、この指標は「ユーザー」として表示されます。
6.2 ユーザー数の計測方法
ユーザー数の計測方法は主に以下の3つの方法があります。
- Cookie:ブラウザに保存されるCookieを利用して、個々のユーザーを識別する方法です。最も一般的な方法ですが、ユーザーがCookieを削除した場合、同一ユーザーとして認識できなくなる可能性があります。
- ユーザーID:ユーザーにログインIDを発行し、そのIDを基にユーザーを識別する方法です。ログインが必要なサービスで有効な方法ですが、ログインしないユーザーは計測できません。
- デバイスID:スマートフォンなどのモバイルデバイスに固有のIDを利用してユーザーを識別する方法です。アプリの利用状況を計測する際に有効ですが、プライバシーに関する懸念もあります。
Googleアナリティクスでは、これらの方法を組み合わせてユーザー数を計測しています。 具体的には、User-IDとClient-IDを組み合わせて、より正確なユーザー数を算出しています。
6.3 セッション、PVとの関係性
ユーザー数、セッション、PVはそれぞれ異なる指標であり、互いに関連しています。 これらの関係性を理解することで、Webサイトのアクセス状況をより深く分析できます。
指標 | 説明 | 例 |
---|---|---|
ユーザー数 | Webサイトにアクセスしたユニークユーザーの数 | 1人のユーザーが1日に3回アクセスした場合、ユーザー数は1 |
セッション | Webサイトへのアクセス単位。一定時間(デフォルト30分)アクセスがないと、新しいセッションとしてカウントされる | 1人のユーザーが1日に3回アクセスし、それぞれ30分以上の間隔があった場合、セッション数は3 |
PV(ページビュー) | Webページが表示された回数 | 1人のユーザーが3つのページを閲覧した場合、PVは3 |
例えば、ユーザー数が少ないのにPV数が多い場合、リピーターユーザーが多くのページを閲覧している可能性が考えられます。 逆に、ユーザー数は多いのにPV数が少ない場合、新規ユーザーが多く、サイトの回遊率が低い可能性があります。 これらの指標を組み合わせて分析することで、Webサイトの課題を特定し、改善策を検討することができます。
7. セッション、PV、表示回数、インプレッション、ユーザー数の違いを一覧で比較
これまで個別に解説してきたセッション、PV、表示回数、インプレッション、ユーザー数の違いを、一覧表で比較してみましょう。それぞれの指標が何を表すのか、どういった点に違いがあるのかを理解することで、Webサイト分析をより効果的に行うことができます。
指標 | 定義 | 計測方法 | Googleアナリティクス | Search Console | 例 |
---|---|---|---|---|---|
セッション | Webサイトへの一連のアクセス行動。ユーザーがWebサイトにアクセスしてから離脱するまでの一連の行動を指します。30分間操作がない場合、または日をまたいだ場合は、新しいセッションとしてカウントされます。 | アクセスログを元に、一定時間内の連続したアクセスを1セッションとしてカウント。 | レポートの主要指標として利用可能。「ユーザー」>「概要」などで確認できます。 | 「パフォーマンス」レポートで確認可能。クリック数と関連付けて分析できます。 | ユーザーAが10:00にサイトにアクセスし、10:30に離脱。11:00に再びアクセスした場合は、合計2セッションとカウントされます。 |
PV(ページビュー) | Webページが閲覧された回数。ページが表示されるたびに1PVとしてカウントされます。同一ページを複数回リロードした場合も、その回数分だけPVは増加します。 | ページが表示されるたびにカウント。 | レポートの主要指標として利用可能。「行動」>「サイトコンテンツ」>「すべてのページ」などで確認できます。 | 間接的に推測可能。クリック数と平均掲載順位から、ある程度のPV数を推測できます。 | ユーザーAがトップページを2回、お問い合わせページを1回閲覧した場合、合計3PVとなります。 |
表示回数 | ユーザーの画面にウェブサイトやアプリのコンテンツが表示された回数を。ページが完全に読み込まれた場合だけでなく、ページの一部が画面に表示された場合も1回とカウントされる。 | ページの一部が画面に表示された場合も1回とカウント | レポートの主要指標として利用可能。「行動」>「サイトコンテンツ」>「すべてのページ」などで確認 | Search Consoleでは計測できません。 | ユーザーAがウェブブラウザでトップページを2回、アプリでお問い合わせページを1回閲覧した場合、合計表示回数は3となります。 |
インプレッション | 広告が表示された回数。主に広告配信における指標として用いられます。ユーザーが広告を実際にクリックしたかどうかに関わらず、表示された回数だけカウントされます。 | 広告が表示されるたびにカウント。 | Google広告と連携することで確認可能。 | Search Consoleでは計測できません。 | ユーザーAがWebページを閲覧中に、3つの広告が表示された場合、インプレッション数は3回です。 |
ユーザー数 | Webサイトにアクセスしたユニークユーザーの数。特定の期間内に、同一ユーザーが複数回アクセスした場合でも、1ユーザーとしてカウントされます。 | Cookieなどを利用してユニークユーザーを識別。 | レポートの主要指標として利用可能。「ユーザー」>「概要」などで確認できます。 | Search Consoleでは計測できません。 | ユーザーAが1日に3回Webサイトにアクセスした場合でも、ユーザー数は1です。 |
これらの指標を理解し、組み合わせて分析することで、Webサイトの現状を把握し、改善策を検討することができます。例えば、セッション数とPV数の比率を見ることで、ユーザーがWebサイト内でどの程度回遊しているかを把握できます。また、表示回数とクリック数の比率(クリック率)を見ることで、検索結果におけるWebページの訴求力の強さを分析できます。
8. GoogleアナリティクスでセッションとPVを確認する方法
Googleアナリティクスは、ウェブサイトのアクセス状況を詳細に分析できる無料のツールです。セッション数やPVはもちろん、ユーザーの行動やサイトのパフォーマンスに関する様々なデータを取得し、分析することができます。ここでは、GoogleアナリティクスでセッションとPVを確認する方法を具体的に解説します。
8.1 レポート画面でセッションとPVを確認する
Googleアナリティクスにログイン後、様々なレポートを通じてセッション数とPVを確認できます。特に「リアルタイム」「ユーザー」「集客」「行動」の各レポートは、セッションとPVの分析に役立ちます。
8.1.1 リアルタイムレポート
リアルタイムレポートでは、まさに今あなたのサイトにアクセスしているユーザー数や、彼らが閲覧しているページなどをリアルタイムで確認できます。現在のセッション数もここに表示されます。ただし、PVはリアルタイムレポートでは確認できません。
8.1.2 ユーザーレポート
ユーザーレポートでは、サイトへのアクセス状況をユーザー単位で分析できます。新規ユーザー数、リピーター数、セッション数、ユーザーあたりのセッション数などの指標を確認できます。ここで確認できるセッション数は、特定の期間におけるサイトへのアクセス回数全体を表します。
8.1.3 集客レポート
集客レポートでは、ユーザーがどのような経路でサイトにアクセスしてきたのかを分析できます。検索エンジン、ソーシャルメディア、参照サイトなど、様々な流入元別のセッション数やPVを確認できます。流入元別のデータを見ることで、どのチャネルが効果的にサイトへのトラフィックを呼び込んでいるかを把握し、マーケティング戦略に役立てることができます。
8.1.4 行動レポート
行動レポートでは、ユーザーがサイト内でどのような行動を取っているのかを分析できます。閲覧されたページ数(PV)、平均セッション時間、直帰率などの指標を確認できます。PVは、サイト内のページが閲覧された回数を表し、ユーザーエンゲージメントの指標として重要です。 また、ランディングページレポートでは、ユーザーが最初にアクセスしたページ別のセッション数やPVを確認できます。
8.2 カスタムレポートでセッションとPVを分析
標準のレポートでは物足りない場合は、カスタムレポートを作成することで、必要な指標だけを表示させることができます。例えば、セッション数とPVを期間別に比較したり、特定のディメンションと組み合わせて分析したりすることが可能です。カスタムレポートを活用することで、より深い分析を行い、サイト改善に繋げることができます。
8.2.1 カスタムレポートの作成方法
- Googleアナリティクスにログインし、「カスタマイズ」タブをクリックします。
- 「カスタムレポート」をクリックし、「+新しいカスタムレポート」をクリックします。
- 「メトリックスグループ」で「セッション」「ページビュー数」などを選択します。
- 「ディメンションのドリルダウン」で分析したいディメンション(例:ページ、流入元など)を選択します。
- レポート名を入力し、「保存」をクリックします。
8.3 セグメントを活用して特定のユーザー層のセッションとPVを分析する
セグメント機能を使えば、特定の条件を満たすユーザーグループのセッション数やPVを抽出できます。例えば、特定の地域からのユーザー、特定のデバイスを使用しているユーザー、特定のページを閲覧したユーザーなど、様々な条件でセグメントを作成できます。セグメントを活用することで、特定のユーザー層の行動を分析し、より効果的なマーケティング施策を展開できます。
指標 | 説明 | 確認できるレポート |
---|---|---|
セッション | ウェブサイトへのアクセス回数 | リアルタイム、ユーザー、集客、行動 |
ページビュー数(PV) | ページが閲覧された回数 | 集客、行動 |
これらのレポートや機能を駆使することで、サイトのアクセス状況を多角的に分析し、改善につなげることが可能です。Googleアナリティクスの詳細な使い方については、Googleの公式ヘルプなどを参照ください。
9. Search ConsoleでセッションとPVに関連するデータを確認する方法
Google Search Consoleは、ウェブサイトのパフォーマンスを監視し、Google検索での見え方を理解するための無料ツールです。セッション数やPVに直接的に関連するデータはSearch Console上では確認できませんが、これらに影響を与える重要な指標を分析することができます。Search Consoleを活用することで、ユーザーがどのようにサイトにアクセスしているか、どのキーワードで検索されているか、そしてサイトの技術的な問題点を把握し、改善につなげることが可能です。
9.1 Search Consoleで確認できるセッションとPVに関連する指標
Search Consoleでは、セッションやPVそのものを確認することはできません。しかし、間接的にこれらに影響を与える以下の指標を確認し、分析することができます。
9.1.1 クリック数
クリック数は、Google検索結果からウェブサイトにアクセスしたユーザーの数です。クリック数が多いキーワードは、ユーザーの関心が高いことを示しており、セッション数の増加に繋がります。クリック数の増加は、サイトへの流入増加を示唆し、結果としてセッション数やPVの増加に寄与する可能性があります。
9.1.2 表示回数(インプレッション)
表示回数は、Google検索結果にウェブサイトが表示された回数です。表示回数が多くてもクリック数が少ない場合は、タイトルやディスクリプションの見直しが必要です。魅力的なタイトルやディスクリプションを設定することで、クリック率を向上させ、セッション数増加に繋げることができます。
9.1.3 平均掲載順位
平均掲載順位は、特定のキーワードでウェブサイトがGoogle検索結果の何番目に表示されているかを示す指標です。上位に表示されるほどクリックされる可能性が高いため、セッション数にも影響を与えます。SEO対策を実施し、検索順位を向上させることで、より多くのユーザーをウェブサイトに誘導し、セッション数とPVを向上させることができます。
9.1.4 CTR(クリック率)
CTRは、表示回数に対するクリック数の割合です。CTRが高いキーワードは、ユーザーのニーズに合致したコンテンツを提供できている可能性が高いです。CTRを分析することで、ユーザーの興味関心を理解し、コンテンツ改善に繋げ、結果としてセッション数とPVの向上に貢献できます。
9.2 Search Consoleでデータを確認する手順
Search Consoleで上記のような指標を確認するには、以下の手順に従います。
- Google Search Consoleにログインします。
- 対象のプロパティ(ウェブサイト)を選択します。
- 左側のメニューから「検索パフォーマンス」をクリックします。
- 表示されるグラフやテーブルで、クリック数、表示回数、平均掲載順位、CTRなどのデータを確認できます。クエリ、ページ、国、デバイス、検索での見え方などのタブを切り替えることで、様々な角度からデータを分析できます。
9.3 Search Consoleを活用したセッションとPVの改善
Search Consoleで得られたデータに基づいて、以下のような施策を実施することで、セッション数とPVの改善に繋げることができます。
指標 | 改善施策 |
---|---|
クリック数が少ない | タイトルやディスクリプションを改善する、キーワードを見直す、コンテンツの質を高める |
表示回数が少ない | SEO対策を実施する、コンテンツを増やす、サイトマップを送信する |
平均掲載順位が低い | 被リンクを獲得する、コンテンツの質を高める、モバイルフレンドリー対応を行う |
CTRが低い | タイトルやディスクリプションを魅力的にする、キーワードとの関連性を高める、リッチリザルトを活用する |
Search Consoleは、ウェブサイトのパフォーマンスを分析し、改善するための強力なツールです。これらの指標を定期的に確認し、適切な施策を実施することで、セッション数とPVの向上、ひいてはウェブサイトの成長に繋げることができます。
10. セッションとPVを改善するための施策
ウェブサイトへのアクセス状況を分析し、セッションとPVを改善するためには、様々な施策を講じることが重要です。ここでは、具体的な施策とその効果について解説します。
10.1 コンテンツの質向上
質の高いコンテンツを提供することは、ユーザーエンゲージメントを高め、セッション時間やPV数を向上させる上で非常に重要です。具体的には下記のような施策が考えられます。
10.1.1 ユーザーニーズに合ったコンテンツ作成
ユーザーが本当に求めている情報を提供することで、サイトへの滞在時間を延ばし、PV数を増加させることができます。キーワード調査ツールなどを活用し、ユーザーの検索意図を的確に捉えたコンテンツを作成しましょう。ターゲット層を明確化し、彼らのニーズに合わせた情報を提供することが重要です。
10.1.2 読みやすいコンテンツ設計
適切な見出し、箇条書き、画像などを用いて、コンテンツを読みやすく構成することで、ユーザーの離脱率を低減し、滞在時間を伸ばすことができます。 モバイルフレンドリーなデザインも重要です。
10.1.3 定期的なコンテンツ更新
新鮮な情報を提供し続けることで、ユーザーの再訪率を高め、セッション数を増加させることができます。 ブログ記事などを定期的に更新し、常に最新の情報が得られるように心がけましょう。
10.2 サイトのユーザビリティ向上
サイトの使いやすさを向上させることで、ユーザーエクスペリエンスを高め、セッション時間やPV数の増加に繋がります。
10.2.1 ページの読み込み速度の改善
ページの読み込み速度が遅いと、ユーザーはすぐにサイトを離れてしまいます。 画像の最適化やキャッシュの活用など、読み込み速度を改善するための施策を行いましょう。PageSpeed Insightsなどのツールを利用して、現状の速度を計測し、改善点を洗い出すことが有効です。
10.2.2 モバイルフレンドリーなデザイン
スマートフォンからのアクセスが増加している現在、モバイルフレンドリーなデザインは必須です。 レスポンシブデザインを採用し、あらゆるデバイスで快適に閲覧できるようにしましょう。
10.2.3 分かりやすいサイト構造
ユーザーが求める情報に簡単にアクセスできるよう、分かりやすいサイト構造を構築することが重要です。 適切なナビゲーションメニューやサイトマップを設置し、ユーザーが迷わず目的のページに辿り着けるようにしましょう。
10.3 SEO対策の実施
SEO対策を実施することで、検索エンジンからの流入を増やし、セッション数とPV数を向上させることができます。
10.3.1 キーワード最適化
適切なキーワードを選定し、タイトル、見出し、本文などに適切に配置することで、検索エンジンでのランキング向上を目指します。 キーワード調査ツールなどを活用して、検索ボリュームや競合性を分析しながらキーワードを選定しましょう。
10.3.2 内部リンクの最適化
サイト内の関連ページ同士を内部リンクで繋ぐことで、ユーザーの回遊率を高め、PV数を増加させることができます。 また、クローラーがサイト内を巡回しやすくなり、SEO効果も期待できます。
10.3.3 外部からの被リンク獲得
他のウェブサイトから質の高い被リンクを獲得することで、検索エンジンからの評価を高め、ランキング向上に繋げることができます。 良質なコンテンツを作成し、他のサイトからの自然なリンク獲得を目指しましょう。
10.4 プロモーションの実施
ウェブサイトへのアクセスを促進するためには、様々なプロモーション施策を実施することが有効です。
10.4.1 SNSを活用したプロモーション
Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSを活用して、ウェブサイトのコンテンツを拡散し、アクセス数を増やすことができます。 各SNSの特性を理解し、ターゲット層に合わせた情報発信を心がけましょう。
10.4.2 Web広告の活用
Google広告やYahoo!広告などのWeb広告を活用することで、ターゲットを絞った効果的なプロモーションを行うことができます。予算や目的に合わせて適切な広告形式を選択し、効果を最大化しましょう。
10.4.3 メールマーケティング
メールマガジンなどを活用して、ユーザーに最新情報やお得な情報を配信することで、ウェブサイトへのアクセスを促進することができます。 パーソナライズされたメールを配信することで、より高い効果が期待できます。
10.5 アクセス解析ツールを活用した分析と改善
Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを活用して、ウェブサイトのアクセス状況を分析し、改善点を洗い出すことが重要です。下記のような指標に着目して分析を行いましょう。
指標 | 説明 |
---|---|
セッション数 | ウェブサイトへの訪問数 |
PV数 | ページビュー数。ウェブサイト内で閲覧されたページの総数 |
直帰率 | 1ページだけ見てウェブサイトを離脱したユーザーの割合 |
離脱率 | 特定のページからウェブサイトを離脱したユーザーの割合 |
平均セッション時間 | ユーザーがウェブサイトに滞在した平均時間 |
これらの指標を分析することで、ユーザーの行動パターンを把握し、改善すべきポイントを見つけることができます。例えば、直帰率が高いページがあれば、コンテンツの内容やユーザビリティに問題がある可能性があります。 アクセス解析ツールを活用して、継続的に分析と改善を繰り返すことが、セッションとPVの向上に繋がります。
11. まとめ
この記事では、ウェブサイト分析において重要な指標であるセッションとPVについて、その定義や計測方法、そしてそれぞれの違いを解説しました。さらに、表示回数、インプレッション、ユーザー数といった関連指標との違いについても詳しく説明し、それぞれの指標を理解することで、より効果的なウェブサイト分析が可能になることを示しました。
セッションは、ユーザーがウェブサイトにアクセスして一連の操作を行った一単位を指し、PVはウェブサイト内のページが閲覧された回数を指します。セッションとPVはどちらもウェブサイトのアクセス状況を把握するための重要な指標ですが、それぞれ異なる情報を提供するため、分析の目的によって使い分ける必要があります。例えば、ユーザーの訪問頻度を分析したい場合はセッション数、ウェブサイト内でのユーザー行動を分析したい場合はPVを重視するべきです。
GoogleアナリティクスやSearch Consoleを活用することで、これらの指標を簡単に確認できます。これらのツールを用いてウェブサイトの現状を把握し、適切な改善施策を実施することで、より多くのユーザーを獲得し、ビジネスの成長につなげることが可能になります。具体的な改善施策としては、サイト内の回遊率向上のための内部リンク最適化や、ユーザーニーズに合ったコンテンツ作成などが挙げられます。これらの施策を通して、セッション数とPVの向上を目指しましょう。