【GA4】イベントの種類、設定方法と確認方法│パラメータやキーイベント(コンバージョン)も解説

GA4のイベントについて、種類や設定方法、確認方法を網羅的に解説します。GA4を導入したものの、イベントがうまく設定できない、種類が多すぎて理解できない、といった悩みを抱えているウェブ担当者やマーケターの方必見です。この記事を読めば、自動収集イベント、拡張計測イベント、推奨イベント、カスタムイベントといったGA4のイベントの種類を理解し、それぞれの設定方法をGoogleタグマネージャー(GTM)使用・不使用の両パターンで学ぶことができます。 さらに、イベント設定に欠かせないパラメータや、ビジネス目標達成に直結するコンバージョンの設定方法、設定後の確認方法まで、実務に役立つ情報を網羅しています。よくあるエラーへの対処法も紹介しているので、スムーズなイベント設定を実現できます。GA4イベントを理解し、ウェブサイトのデータ分析を強化したい方は、ぜひ最後までお読みください。

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目次

1. GA4におけるイベントとは? なぜ重要なのか

GA4(Google Analytics 4)において、イベントとは、ウェブサイトやアプリで発生するユーザーの行動やインタラクションを計測する単位です。ページビュー、クリック、動画の再生、ファイルのダウンロードなど、ユーザーが行うあらゆる操作がイベントとして記録されます。GA4は、このイベントデータに基づいてユーザー行動を分析し、ウェブサイトやアプリの改善に役立つインサイトを提供します。従来のユニバーサルアナリティクス(UA)とは異なり、GA4ではイベントを中心にデータが構成されているため、イベントを理解することはGA4を使いこなす上で非常に重要です。

1.1 イベントとコンバージョンの関係

GA4では、ビジネス目標達成に繋がる重要なイベントをコンバージョンとして設定できます。例えば、ECサイトにおける商品の購入、お問い合わせフォームの送信、資料請求ボタンのクリックなどをコンバージョンとして設定することで、どの施策がビジネス成果に貢献しているかを正確に把握できます。イベントはコンバージョンの基盤となるため、適切なイベント設定がコンバージョンの計測精度、ひいてはビジネスの成功に直結します。

コンバージョンとして設定できるイベントは、自動収集イベント、拡張計測イベント、推奨イベント、カスタムイベントのいずれかです。これらのイベントの種類については後述します。

1.2 GA4で標準で計測されるイベント

GA4では、いくつかのイベントが標準で自動的に計測されます。これらのイベントは、ウェブサイトやアプリにGA4を設定するだけで計測が開始されるため、特別な設定は不要です。代表的な自動収集イベントは以下の通りです。

イベント名説明
page_viewページの表示
scrollページのスクロール(90%までスクロールした時点)
first_visitセッション開始(新規ユーザーの場合のみ)
session_startセッション開始
user_engagement10秒以上のセッション、コンバージョンの発生、2つ以上の画面/ページビューの発生など、ユーザーエンゲージメントを測定
view_search_resultsサイト内検索の実行

これらの自動収集イベントに加えて、拡張計測イベントを設定することで、より詳細なユーザー行動を計測できます。例えば、サイト内検索、動画の再生、ファイルのダウンロードなどのイベントを簡単に計測できます。これらの標準で計測されるイベントを理解し、活用することで、ウェブサイトやアプリの現状を把握し、改善のためのヒントを得ることができます。 また、これらのイベントを基にして、カスタムイベントを作成することも可能です。 GA4のイベントは、ユーザー行動を理解し、データに基づいた意思決定を行うための重要な要素です。適切なイベント設定と分析によって、ウェブサイトやアプリの改善、ひいてはビジネスの成長に繋げましょう。

2. GA4イベントの種類

GA4では、多様なイベントタイプを活用して、ユーザーの行動を詳細に分析できます。イベントタイプを理解することで、適切なデータ収集と分析が可能になります。大きく分けて、自動収集イベント、拡張計測イベント、推奨イベント、カスタムイベントの4種類があります。

2.1 自動収集イベント

自動収集イベントは、GA4を導入するだけで自動的に計測されるイベントです。ユーザーがWebサイトやアプリとどのようにインタラクションしているかを把握するための基本的なイベントです。例えば、ページビューやスクロールなど、ユーザーの行動をトラッキングします。設定の手間が不要で、すぐに利用できることがメリットです。

イベント名説明
page_viewページの閲覧
scrollページのスクロール
first_visit初回訪問
session_startセッションの開始
user_engagementユーザーエンゲージメント

2.2 拡張計測イベント

拡張計測イベントは、自動収集イベントに加えて、特定のインタラクションを計測するためのイベントです。例えば、サイト内検索や動画の再生など、より詳細なユーザー行動をトラッキングできます。GA4の管理画面から簡単に有効化できるため、手軽に利用できます。拡張計測イベントを活用することで、ユーザーの行動をより深く理解し、Webサイトやアプリの改善に役立てることができます。

イベント名説明
file_downloadファイルのダウンロード
video_start動画の再生開始
video_progress動画の再生進捗
video_complete動画の再生完了
click特定の要素のクリック
view_search_resultsサイト内検索結果の表示
form_startフォームの入力開始

2.3 推奨イベント

推奨イベントは、Googleが推奨するイベントで、ECサイトやゲームなど、特定の業種や目的に特化したイベントです。例えば、商品購入やゲームのレベルアップなど、ビジネス目標に関連するイベントをトラッキングできます。推奨イベントを使用することで、業界標準に沿ったデータ収集と分析が可能になり、ビジネスの成長に繋げることができます。推奨イベントにはそれぞれ必須パラメータが定義されており、これらのパラメータを設定することで、より詳細な分析が可能です。

イベント名説明業種/目的
add_to_cartカートへの商品追加ECサイト
purchase商品購入ECサイト
begin_checkoutチェックアウト開始ECサイト
generate_leadリード獲得リードジェネレーション
loginログイン会員サイト
sign_up会員登録会員サイト
level_upレベルアップゲーム
earn_virtual_currency仮想通貨の獲得ゲーム

2.4 カスタムイベント

カスタムイベントは、上記3つのイベントタイプでカバーできないイベントを独自に定義できるイベントです。Webサイトやアプリに固有のユーザー行動をトラッキングしたい場合に利用します。カスタムイベントは柔軟性が高く、様々な目的に合わせて自由に設定できますが、適切な命名規則とパラメータ設定が重要です。gtag.jsやGoogleタグマネージャーを使用して実装できます。

例えば、特定のボタンのクリックや、特定のページへのアクセスなど、ビジネスに特化したイベントを計測できます。カスタムイベントを設定する際は、イベント名とパラメータを適切に設定することで、後々の分析をスムーズに行うことができます。カスタムパラメータを設定することで、イベントに関する追加情報を取得することも可能です。

これらのイベントタイプを理解し、適切に活用することで、ユーザー行動の全体像を把握し、Webサイトやアプリの改善、ひいてはビジネスの成長に繋げることが可能になります。

3. GA4イベントの設定方法

GA4でイベントを設定する方法は、大きく分けてGoogleタグマネージャー(GTM)を使う方法と使わない方法の2種類があります。それぞれ設定の難易度や柔軟性が異なるため、自社の状況に合わせて最適な方法を選択することが重要です。GTMを使う方法は、コードを直接編集することなく、視覚的なインターフェースでイベントを設定できるため、非エンジニアの方でも比較的簡単に設定できます。 一方、GTMを使わない方法は、直接コードを編集する必要があるため、ある程度の技術的な知識が必要となりますが、より細かい設定が可能です。

3.1 Googleタグマネージャー(GTM)を使用しない設定方法

GTMを使用しない場合は、GA4の管理画面から直接設定する方法と、gtag.jsを使って設定する方法があります。

3.1.1 GA4の管理画面からの設定

GA4の管理画面では、拡張計測機能を使用して、ページビュー、スクロール、サイト内検索、動画の再生など、特定の操作をイベントとして自動的に収集できます。この方法は、コードの編集が不要なため、最も手軽にイベントを設定できます。ただし、設定できるイベントの種類は限定的です。

3.1.2 gtag.jsを使った設定

gtag.jsを使うことで、より柔軟にイベントを設定できます。例えば、ボタンのクリックやフォームの送信など、特定のアクションをイベントとして追跡することが可能です。この方法は、JavaScriptの知識が必要となるため、ある程度の技術的なスキルが求められます。

具体的なコード例は以下の通りです。

event_nameにはイベントの名前、parameter_nameにはパラメータの名前、parameter_valueにはパラメータの値をそれぞれ指定します。例えば、商品詳細ページの閲覧イベントを設定する場合、以下のように記述します。

3.2 Googleタグマネージャー(GTM)を使用する設定方法

GTMを使用する場合は、GTMのコンテナにGA4イベントタグを設定することで、イベントを計測できます。この方法は、コードを直接編集することなく、視覚的なインターフェースでイベントを設定できるため、非エンジニアの方でも比較的簡単に設定できます。また、GTMには、デバッグ機能やバージョン管理機能が備わっているため、安全かつ効率的にイベント設定を行うことができます。

3.2.1 GTMの基本的な設定

GTMを使用するには、まずGTMアカウントを作成し、コンテナをウェブサイトに設置する必要があります。GTMのアカウント作成とコンテナの設置方法は、GTMの公式ドキュメントを参照してください。

3.2.2 GA4イベントタグの設定

GTMのコンテナにGA4イベントタグを設定する手順は以下の通りです。

手順説明
1. 新しいタグを追加GTMのコンテナ画面で「新規」ボタンをクリックし、新しいタグを追加します。
2. タグの種類を選択タグの種類として「Google アナリティクス: GA4 イベント」を選択します。
3. 構成タグを選択事前に設定したGA4の設定タグを選択します。
4. イベント名を設定計測したいイベントの名前を設定します。例えば、ボタンのクリックイベントを計測する場合は、「button_click」のように設定します。
5. パラメータを設定(任意)イベントに付随するパラメータを設定します。例えば、クリックされたボタンの名前などを設定できます。
6. トリガーを設定イベントを発生させるトリガーを設定します。例えば、特定のボタンがクリックされたときにイベントを発生させる場合は、「クリック – すべての要素」トリガーを選択し、クリックするボタンを指定します。
7. タグを保存設定が完了したら、タグを保存します。
8. 変更を公開最後に、GTMの変更を公開します。

これらの手順を踏むことで、GTMを使ってGA4イベントを設定できます。GTMを使うことで、コードを直接編集することなく、視覚的なインターフェースでイベントを設定できるため、非エンジニアの方でも比較的簡単に設定できます。

4. GA4イベントで設定できるパラメータ

GA4では、イベントが発生した状況に関する追加情報を記録するために、パラメータを設定できます。パラメータを活用することで、イベントデータの分析をより詳細に行い、ユーザー行動の理解を深めることができます。例えば、「商品詳細ページの閲覧」イベントに「商品名」や「価格」といったパラメータを追加することで、どの商品がどれくらい閲覧されているか、価格帯別の閲覧状況などを把握できます。パラメータは、イベントの分析において非常に重要な役割を果たします。

4.1 パラメータの種類と活用方法

GA4のパラメータには、大きく分けて自動的に収集されるパラメータと、カスタムパラメータの2種類があります。自動収集パラメータは、GA4が標準で提供するもので、追加設定なしで利用できます。カスタムパラメータは、個々のニーズに合わせて自由に設定できるパラメータです。

4.1.1 自動収集イベントのパラメータ

自動収集イベントには、それぞれ固有のパラメータが設定されています。例えば、page_viewイベントには、閲覧したページのURLやタイトルなどが自動的に記録されます。これらのパラメータを確認することで、ユーザーがどのページにアクセスしたのか、どのページが人気なのかなどを分析できます。

4.1.2 カスタムパラメータ

カスタムパラメータは、標準で用意されていない情報を収集するために利用します。例えば、ECサイトで「商品カテゴリ」や「会員ステータス」といった情報を取得したい場合、カスタムパラメータを設定することで、これらの情報をイベントと共に記録できます。カスタムパラメータは、ビジネスニーズに合わせて柔軟に設定できるため、データ分析の可能性を大きく広げます。

カスタムパラメータを設定する際は、命名規則を統一することが重要です。例えば、「商品名」を表すパラメータをitem_nameとする場合、すべてのイベントで同じ名称を使用することで、データの一貫性を保ち、分析作業を効率化できます。

パラメータの種類説明
page_titleページのタイトル商品詳細ページ -〇〇ストア
page_locationページのURLhttps://www.example.com/products/12345
page_referrer参照元URLhttps://www.google.com/
currency通貨JPY
value数値1000
items商品に関する情報を含む配列(eコマースイベントで使用)商品ID、商品名、価格など
item_name商品名(カスタムパラメータ例)〇〇Tシャツ
item_category商品カテゴリ(カスタムパラメータ例)トップス

4.2 カスタムパラメータの設定方法

カスタムパラメータを設定するには、Googleタグマネージャーを使用する方法と、gtag.jsを直接記述する方法があります。Googleタグマネージャーを使用する場合は、GA4イベントタグの設定画面でカスタムパラメータを追加できます。gtag.jsを直接記述する場合は、イベントを送信する際にパラメータを含めます。どちらの方法でも、パラメータ名と値を指定することで、カスタムパラメータを設定できます。

カスタムパラメータは、最大で25個まで設定可能です。また、パラメータ名には、特定の予約語(page_locationなど)は使用できません。カスタムパラメータを活用することで、より詳細なデータ分析が可能となり、ビジネスの意思決定に役立つ情報を取得できます。

パラメータの活用は、GA4で効果的なデータ分析を行うための重要な要素です。 適切なパラメータを設定することで、ユーザー行動の理解を深め、ウェブサイトやアプリの改善につなげることができます。

5. GA4のキーイベント(コンバージョン)の設定方法

ウェブサイトやアプリの目標達成を測る上で、コンバージョンは非常に重要な指標です。GA4では、このコンバージョンを「コンバージョンイベント」として設定し、トラッキングします。この章では、GA4におけるコンバージョンの重要性と、具体的な設定手順を詳しく解説します。

5.1 コンバージョンの重要性

コンバージョンを設定することで、ビジネス目標への貢献度を正確に把握できます。例えば、ECサイトにおける購入完了、資料請求フォームの送信、アプリのインストール完了など、ビジネスにとって重要なアクションをコンバージョンとして設定することで、マーケティング施策の効果測定や改善に役立ちます。コンバージョンをトラッキングすることで、以下のメリットがあります。

  • ROIの測定:広告費用に対する収益を把握し、投資対効果を最適化できます。
  • ユーザー行動の理解:コンバージョンに至るまでのユーザー行動を分析し、改善点を発見できます。
  • ウェブサイト/アプリの最適化:コンバージョン率向上のための改善策を立案し、実行できます。
  • マーケティング戦略の改善:効果的なマーケティング施策にリソースを集中投下できます。

5.2 GA4でコンバージョンを設定する手順

GA4でコンバージョンを設定する方法は主に2つあります。既存のイベントをコンバージョンとしてマークする方法と、カスタムコンバージョンを作成する方法です。それぞれの手順を詳しく見ていきましょう。

5.2.1 既存のイベントをコンバージョンとしてマークする

GA4では、既に計測されているイベントをコンバージョンとしてマークすることができます。この方法は、既に必要なイベントが計測されている場合に非常に便利です。

  1. GA4の管理画面にログインします。
  2. 左側のナビゲーションメニューから「コンバージョン」を選択します。
  3. 「新しいコンバージョンイベント」ボタンをクリックします。
  4. コンバージョンに設定したいイベント名を入力します。このイベント名は、既に計測されているイベント名と一致している必要があります。例えば、「purchase」や「sign_up」などです。
  5. 「保存」ボタンをクリックします。

5.2.2 カスタムコンバージョンを作成する

計測したいイベントがGA4で標準的に計測されていない場合は、カスタムコンバージョンを作成する必要があります。カスタムコンバージョンは、特定の条件を満たしたイベントをコンバージョンとして設定することができます。

  1. GA4の管理画面にログインします。
  2. 左側のナビゲーションメニューから「コンバージョン」を選択します。
  3. 「新しいコンバージョンイベント」ボタンをクリックします。
  4. 新しいコンバージョンイベント名を入力します。例えば、「contact_form_submission」など、分かりやすい名前をつけましょう。
  5. カスタムイベントを定義するために、「条件」を設定します。例えば、「event_nameが’form_submission’と等しい」という条件を設定することで、「form_submission」というイベントが発生した際にコンバージョンとしてカウントされます。複数の条件を設定することも可能です。パラメータに基づいた条件設定も可能です。例えば、「page_locationが’/thank-you’を含む」といった条件を設定することもできます。
  6. 「保存」ボタンをクリックします。

コンバージョン設定後、設定が正しく反映されているか確認するために、リアルタイムレポートを確認することをおすすめします。コンバージョンが発生すると、リアルタイムレポートに反映されます。

設定方法メリットデメリット
既存のイベントをコンバージョンとしてマークする設定が簡単既に計測されているイベントしか設定できない
カスタムコンバージョンを作成する柔軟な設定が可能設定が複雑になる場合がある

上記の手順でコンバージョンを設定することで、ビジネス目標達成に向けた効果的なデータ分析が可能になります。適切なコンバージョンを設定し、ウェブサイトやアプリの改善に繋げましょう。

6. GA4イベントの確認方法

設定したGA4イベントが正しく計測されているか確認することは、データに基づいたWebサイト改善を行う上で非常に重要です。GA4には、イベントの確認方法がいくつか用意されています。リアルタイムで確認する方法から、蓄積されたデータを確認する方法、そしてより詳細な分析を行うためのBigQuery連携まで、それぞれの方法を詳しく解説します。

6.1 リアルタイムレポートでの確認

リアルタイムレポートでは、現在発生しているイベントをほぼリアルタイムで確認できます。イベントが正しく送信されているか、設定したパラメータが適切に取得できているかを即座に確認したい場合に非常に便利です。

リアルタイムレポートで確認できる主な項目は以下の通りです。

  • ユーザーの地域分布
  • トラフィックソース
  • 現在アクセスしているページ
  • 発生しているイベント

イベントがリアルタイムレポートに表示されない場合は、設定に誤りがある可能性が高いため、タグの設定やパラメータの設定を見直しましょう。

6.2 標準レポートでの確認

標準レポートでは、蓄積されたイベントデータに基づいて、様々な角度から分析を行うことができます。リアルタイムレポートとは異なり、過去のデータも確認できるため、イベントの発生傾向やユーザー行動の分析に役立ちます。

イベントを確認できる代表的な標準レポートは以下の通りです。

レポート名確認できる内容
エンゲージメント → イベント発生したイベントの種類と回数、イベントごとのユーザーエンゲージメント
収益化 → コンバージョンコンバージョンとして設定したイベントの発生回数とコンバージョン率
ライフサイクル → ユーザエンゲージメント新規ユーザーとリピーターユーザーのイベント発生状況の比較

これらのレポートを活用することで、どのイベントが重要な役割を果たしているか、改善すべきポイントはどこかを分析することができます。

6.3 カスタムレポートの作成と活用

標準レポートでは確認できない項目を分析したい場合は、カスタムレポートを作成することができます。カスタムレポートでは、必要な指標とディメンションを自由に組み合わせて、独自のレポートを作成することが可能です。

例えば、特定のイベントとページの組み合わせを分析したり、カスタムパラメータをディメンションとして使用することで、より詳細な分析を行うことができます。

6.3.1 カスタムレポートの作成手順

  1. GA4のレポートセクションで「カスタムレポートを作成」をクリックします。
  2. 指標とディメンションを選択します。
  3. レポートのタイトルと形式を設定します。
  4. 保存をクリックします。

6.4 BigQueryとの連携

BigQueryは、Google Cloud Platformが提供するデータウェアハウスです。GA4とBigQueryを連携させることで、GA4の生データにSQLクエリを実行して、より高度な分析を行うことができます。

BigQuery連携のメリットは以下の通りです。

  • サンプリングされていない生データにアクセスできる
  • 複雑なクエリを実行して詳細な分析が可能
  • 他のデータソースと結合して分析できる

BigQueryを活用することで、GA4の標準機能では不可能な分析を実現し、Webサイトの改善に大きく貢献することができます。ただし、BigQueryの利用には費用が発生するため、事前に料金体系を確認しておく必要があります。

これらの確認方法を適切に使い分けることで、イベントデータに基づいた効果的なWebサイト改善を行うことができます。それぞれの方法の特徴を理解し、目的に合った方法を選択しましょう。

7. GA4イベント設定時のよくあるエラーと対処法

GA4でイベントを設定する際、様々なエラーに遭遇することがあります。設定が正しく反映されない場合、せっかく計測しようとしていたデータが取得できず、ビジネス上の意思決定に影響を与える可能性があります。この章では、GA4イベント設定でよく発生するエラーとその対処法について解説します。

7.1 イベントが全く送信されない

イベントが全く送信されない場合、まず確認すべきは計測IDが正しく設定されているかです。GTMを使用している場合は、GA4設定タグの計測IDが間違っていないか、GTMスニペットが正しく設置されているかを確認しましょう。gtag.jsを直接使用している場合は、コードに記述した計測IDが正しいか、コードが正しく設置されているかを確認します。また、ブラウザの開発者ツールを使って、イベントが送信されているか、エラーが発生していないかを確認することも重要です。

7.1.1 ネットワークリクエストの確認

ブラウザの開発者ツールの「ネットワーク」タブで、リクエストヘッダーに`v=2`と`tid=(計測ID)`が含まれていることを確認します。これらの情報がない場合は、GA4へのイベント送信が正しく行われていません。

7.2 特定のイベントのみ送信されない

特定のイベントのみ送信されない場合は、そのイベントの設定に誤りがある可能性が高いです。イベント名、パラメータ名、パラメータ値などが正しく設定されているかを確認しましょう。特にカスタムイベントの場合は、イベント名の大文字・小文字の区別、パラメータのデータ型などに注意が必要です。GTMを使用している場合は、トリガーの設定が正しいか、変数が正しく値を取得できているかを確認します。

7.2.1 GTMのプレビューモードの活用

GTMのプレビューモードを使用することで、イベントが正しく発生し、データが送信されているかを詳細に確認できます。タグ、トリガー、変数の設定に誤りがないかを確認しましょう。

7.3 イベントのパラメータが正しく送信されない

イベントは送信されるものの、パラメータが正しく送信されない場合、パラメータの設定に誤りがあると考えられます。パラメータ名、パラメータ値のデータ型などが正しく設定されているかを確認しましょう。特にカスタムパラメータを設定する場合は、パラメータのデータ型と値が一致しているかに注意が必要です。例えば、数値型のカスタムパラメータに文字列型の値を設定すると、正しく送信されません。

7.3.1 パラメータのデータ型の確認

パラメータのデータ型が想定したものと一致しているかを確認します。数値型のパラメータには数値、文字列型のパラメータには文字列を指定する必要があります。

7.4 イベント数が想定と異なる

イベント数が想定よりも多い、または少ない場合、イベントの重複送信やイベントの未送信が発生している可能性があります。イベントのトリガー設定を確認し、意図しないタイミングでイベントが発生していないかを確認しましょう。また、フィルタの設定が適切かどうかも確認する必要があります。想定よりもイベント数が少ない場合は、イベントが発生する条件が厳しすぎないかを確認します。

7.5 エラーメッセージの確認と対処

GA4の管理画面やGTMのプレビューモード、ブラウザの開発者ツールには、エラーメッセージが表示されることがあります。これらのエラーメッセージを確認することで、問題の原因を特定しやすくなります。エラーメッセージの内容に応じて適切な対処を行いましょう。

7.5.1 よくあるエラーメッセージと対処法

エラーメッセージ原因対処法
Measurement ID not found計測IDが設定されていない、または間違っている正しい計測IDを設定する
Invalid event nameイベント名が不正である正しいイベント名を設定する
Invalid parameter nameパラメータ名が不正である正しいパラメータ名を設定する
Invalid parameter valueパラメータ値が不正である正しいパラメータ値を設定する
Too many parametersパラメータ数が上限を超えている不要なパラメータを削除する

これらのエラーと対処法を理解することで、GA4イベント設定時のトラブルをスムーズに解決し、正確なデータ計測を実現できるでしょう。問題が発生した場合は、公式ドキュメントやコミュニティフォーラムなどを活用して情報収集を行うことも有効です。

8. まとめ

この記事では、Google Analytics 4(GA4)におけるイベントの全体像を解説しました。GA4においてイベントは、ユーザーの行動を理解し、ウェブサイトやアプリの改善に繋げるための重要な要素です。イベントの種類を理解し、適切な設定を行うことで、より詳細なデータ分析が可能になります。

GA4では、自動収集イベント、拡張計測イベント、推奨イベント、カスタムイベントなど、様々な種類のイベントが用意されています。それぞれのイベントの特徴を理解し、目的に合ったイベントを選択することが重要です。また、Googleタグマネージャー(GTM)を使用することで、より柔軟なイベント設定が可能になります。GTMを使わない場合でも、GA4の管理画面やgtag.jsから設定できます。

イベントにはパラメータを追加することで、より詳細な情報を取得できます。カスタムパラメータを設定することで、ビジネスニーズに合わせたデータ収集も可能です。さらに、重要なイベントをコンバージョンとして設定することで、ビジネス目標の達成度合いを測ることができます。

設定したイベントは、リアルタイムレポートや標準レポートで確認できます。カスタムレポートを作成することで、必要な情報を効率的に分析することも可能です。BigQueryと連携すれば、さらに高度な分析も可能です。イベント設定時に発生するエラーへの対処法も理解しておきましょう。

GA4のイベント機能を効果的に活用することで、データに基づいたウェブサイトやアプリの改善を実現し、ビジネスの成長に繋げましょう。

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