【GA4】カスタムチャネルグループとは？仕様や作成方法、活用方法について解説

2025年2月21日2025年2月22日

Googleアナリティクス4（GA4）を効果的に活用するために、カスタムチャネルグループの理解は不可欠です。デフォルトのチャネルグルーピングでは詳細な分析が難しい、あるいはビジネス要件に合わないといった課題を感じていませんか？

この記事では、カスタムチャネルグループとは何か、その仕様や作成方法、そして具体的な活用方法までを網羅的に解説します。この記事を読むことで、GA4におけるカスタムチャネルグループの基礎知識を習得し、自社のマーケティング活動に最適なチャネルグループを作成、活用できるようになります。例えば、特定のキャンペーンの効果測定や、流入経路ごとのコンバージョン率の分析など、より精度の高いデータ分析が可能になります。結果として、ウェブサイトへのアクセス状況を深く理解し、データに基づいた効果的なWeb戦略の立案、改善に繋げることが可能になります。本記事では、正規表現を使った応用的な設定方法や、よくある間違いについても言及しているので、GA4初心者の方から、既にGA4を利用している方まで、幅広く役立つ内容となっています。

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1. カスタムチャネルグループの概要

この章では、Googleアナリティクス4（GA4）におけるカスタムチャネルグループの概要、デフォルトチャネルグループとの違い、そしてカスタムチャネルグループを活用するメリットについて解説します。

1.1 カスタムチャネルグループとは何か

カスタムチャネルグループとは、ユーザーがWebサイトにアクセスした経路を独自の基準で分類・グルーピングできるGA4の機能です。アクセス経路の情報は「チャネル」と呼ばれ、デフォルトでは「Organic Search」「Social」「Direct」など、いくつかのグループに分類されています。しかし、ビジネスのニーズによっては、これらのデフォルトの分類だけでは十分でない場合があります。例えば、特定のキャンペーンの効果測定や、複数のソーシャルメディアプラットフォームをまとめて分析したい場合などです。このような場合に、カスタムチャネルグループを作成することで、より詳細かつ柔軟な分析が可能になります。

1.2 デフォルトチャネルグループとの違い

デフォルトチャネルグループは、Googleによってあらかじめ定義されたチャネルの分類です。多くの一般的なWebサイト分析ニーズに対応できますが、ビジネス固有の分析ニーズには対応できない場合があります。一方、カスタムチャネルグループは、ユーザー自身でチャネルの分類基準を定義できるため、より詳細な分析が可能です。例えば、特定のキャンペーンや参照元、メディアを組み合わせて独自のチャネルグループを作成できます。

項目	デフォルトチャネルグループ	カスタムチャネルグループ
定義	Googleがあらかじめ定義	ユーザーが自由に定義
柔軟性	低い	高い
分析の粒度	大まか	詳細
例	Organic Search, Social, Direct	特定キャンペーンのグループ、特定メディアのグループ

1.3 カスタムチャネルグループを活用するメリット

カスタムチャネルグループを活用することで、以下のようなメリットがあります。

マーケティング施策の効果測定の精度向上：特定のキャンペーンや広告の効果をより正確に把握できます。
ウェブサイト改善への貢献：どのチャネルから質の高いユーザーが流入しているかを分析し、Webサイトの改善に役立てることができます。
柔軟な分析の実現：ビジネスニーズに合わせた柔軟な分析が可能になります。例えば、特定のソーシャルメディアプラットフォームからの流入をまとめて分析したり、特定のパートナーサイトからの流入を個別に分析したりできます。
コンバージョンの分析：カスタムチャネルグループごとにコンバージョンを分析することで、どのチャネルがコンバージョンに貢献しているかを把握できます。
データに基づいた意思決定：正確なデータに基づいて、マーケティング戦略やWebサイト改善の意思決定を行うことができます。例えば、費用対効果の高いチャネルに予算を集中させるなどの施策が可能です。

このように、カスタムチャネルグループはGA4をより効果的に活用するための重要な機能です。次の章では、カスタムチャネルグループの仕様について詳しく解説します。

2. カスタムチャネルグループの仕様

カスタムチャネルグループを作成する際には、いくつかの仕様や制限事項を理解しておく必要があります。これらの仕様を把握することで、より効果的にチャネルグループを活用し、精度の高いデータ分析を行うことができます。

2.1 作成可能なチャネルグループ数の上限

Googleアナリティクス4（GA4）では、作成可能なカスタムチャネルグループの数に上限があります。現時点では、1プロパティあたり最大100個のカスタムチャネルグループを作成できます。この上限を超えて作成することはできませんので、チャネルグループを計画的に作成・管理する必要があります。多数のチャネルグループが必要な場合は、グループ化の戦略を練り、本当に必要なチャネルグループに絞り込むことが重要です。

2.2 正規表現の利用

カスタムチャネルグループを作成する際に、正規表現を使用することができます。正規表現とは、文字列のパターンを表現するための記法です。複雑な条件でチャネルをグループ化したい場合に非常に役立ちます。例えば、特定のキーワードを含むキャンペーンや、特定のドメインからの参照トラフィックをグループ化することができます。正規表現を用いることで、柔軟かつ高度なチャネルグループ設定が可能になります。ただし、正規表現は複雑なため、誤った設定を行うと意図しない結果を招く可能性があります。正規表現を使用する際は、十分にテストを行い、正確な設定を心がけてください。

以下は正規表現の使用例です。

正規表現	マッチする文字列	説明
`^organic$`	organic	完全一致で”organic”にマッチします。
`.brand.`	brand_campaign、branded_search	“brand”を含む任意の文字列にマッチします。
`^(social\|referral)$`	social、referral	“social”または”referral”にマッチします。

2.3 適用範囲

カスタムチャネルグループは、作成したプロパティ内でのみ有効です。他のプロパティには適用されません。また、カスタムチャネルグループの設定は、設定変更後すぐに反映されます。過去のデータにも遡及的に適用されますが、過去のデータの収集方法によっては、カスタムチャネルグループに適切に分類されない場合があります。特に、過去のデータで適切なディメンション値が収集されていない場合、正確な分析ができない可能性があります。そのため、カスタムチャネルグループを作成する際は、適用範囲とデータの収集状況を考慮することが重要です。

例えば、Universal AnalyticsからGA4へ移行した際に、過去のデータと整合性のある分析を行うためには、カスタムチャネルグループの設定をUniversal Analyticsのプロパティと同様の定義にする必要があります。また、GA4で新しく追加されたディメンションを活用することで、より詳細な分析が可能になります。カスタムチャネルグループは、作成後に編集や削除も可能です。必要に応じて定期的に見直し、最適な状態を維持することが重要です。

3. カスタムチャネルグループの作成方法

ここでは、Googleアナリティクス4（GA4）でカスタムチャネルグループを作成する方法をステップバイステップで解説します。スクリーンショットを参考にしながら、実際に操作しながら読み進めてみてください。

3.1 Googleアナリティクス4の管理画面へのアクセス

まずは、Googleアナリティクス4の管理画面にアクセスします。Googleアカウントでログインした状態で、Googleアナリティクスのページを開きましょう。

3.2 カスタムチャネルグループ設定画面の操作手順

管理画面左下の歯車アイコンをクリックして「管理」セクションを開きます。「プロパティ」列で該当のプロパティを選択し、「データストリーム」で対象のデータストリームを選択します。次に「トラフィック取得」セクション内にある「カスタムチャネルグループ」をクリックします。

3.2.1 新規作成の手順

「新しいチャネルグループ」ボタンをクリックします。
チャネルグループの名前を入力します。分かりやすい名前をつけることが重要です。例えば、「オーガニック検索（ブランドキーワード）」や「有料広告（SNSキャンペーン）」など、具体的な名称を付けましょう。
チャネルの定義を行います。ここでは、正規表現を使って柔軟にチャネルを定義できます。例えば、参照元/メディアで「google / organic」と指定することで、Googleのオーガニック検索を一つのチャネルとしてグループ化できます。複数の条件を指定する場合は、「OR」条件で追加できます。以下は、チャネル定義の例です。
- チャネルグループ名定義
- オーガニック検索（ブランドキーワード）
- 参照元/メディア：google / organic
- 参照元：example.com（自社サイトのドメイン）
- 有料広告（SNSキャンペーン）キャンペーン名：summer_campaign
- メディア：cpc
「保存」ボタンをクリックして、設定を完了します。

3.2.2 既存チャネルグループの編集手順

編集したいカスタムチャネルグループをクリックします。
チャネルグループ名や定義を修正します。
「保存」ボタンをクリックして、変更を保存します。

3.3 様々なチャネルのグループ化例

具体的な活用例を理解することで、カスタムチャネルグループの使い方がより明確になります。

3.3.1 参照元/メディアの組み合わせ

特定のソーシャルメディアからのトラフィックをグループ化：例えば、Facebook、Instagram、Twitterからのトラフィックを「SNS」というチャネルグループにまとめる。
特定の検索エンジンからのオーガニック検索トラフィックをグループ化：例えば、Google、Yahoo! JAPAN、Bingからのオーガニック検索トラフィックを「オーガニック検索」というチャネルグループにまとめる。

3.3.2 キャンペーン名の活用

特定のキャンペーンの効果測定：例えば、「summer_sale」というキャンペーン名で実施した広告のトラフィックをグループ化することで、キャンペーンの効果を正確に測定できる。
異なるメディアで実施した同一キャンペーンの効果比較：例えば、Google広告とYahoo!広告で同じキャンペーン名を使って広告配信した場合、それぞれのメディアからのトラフィックをカスタムチャネルグループで分けて分析することで、メディアごとの効果比較が可能になる。

これらの例以外にも、ビジネスニーズに合わせて様々なチャネルグループを作成できます。柔軟に活用して、ウェブサイトへのトラフィックをより深く分析しましょう。

4. カスタムチャネルグループの活用方法

カスタムチャネルグループを作成することで、様々な角度からウェブサイトへの流入を分析し、マーケティング施策の効果測定やウェブサイト改善に役立てることができます。具体的な活用方法を以下に示します。

4.1 マーケティング施策の効果測定

カスタムチャネルグループを活用することで、特定のマーケティング施策からのトラフィックを正確に把握し、その効果を測定することができます。例えば、以下のような施策の効果測定に活用できます。

ソーシャルメディアキャンペーン：各プラットフォームからのトラフィックを個別にグループ化することで、それぞれの効果を比較分析できます。例えば、Twitter、Facebook、Instagram、LINEなど、それぞれの流入を分けて分析することで、どのプラットフォームが最も効果的なのかを判断できます。
メールマガジン：メールマガジンに掲載した特定のリンクからのトラフィックをグループ化することで、メールマガジンの開封率だけでなく、ウェブサイトへの誘導率やコンバージョン率を測定できます。URLにUTMパラメータを付与することで、より詳細な分析が可能です。
オンライン広告： Google広告やYahoo!広告などのオンライン広告からのトラフィックをグループ化することで、各広告の費用対効果を分析できます。広告の種類やターゲティング設定ごとにグループを作成することで、最適な広告戦略を立てることができます。
オフライン広告：テレビCMや新聞広告など、オフライン広告の効果測定は難しい場合が多いですが、カスタムURLを用いることで、オフライン広告経由のトラフィックをグループ化し、その効果を間接的に測定することができます。

4.2 ウェブサイト改善への活用

カスタムチャネルグループは、ウェブサイトの改善にも役立ちます。流入経路ごとのユーザー行動を分析することで、ウェブサイトのどの部分を改善すべきかを特定できます。

直帰率の改善：特定のチャネルグループの直帰率が高い場合、そのチャネルからのユーザーが期待する情報がウェブサイトに不足している可能性があります。コンテンツの内容や構成を見直すことで、直帰率を改善できる可能性があります。
コンバージョン率の改善：コンバージョンに至るまでのユーザー行動をチャネルグループごとに分析することで、コンバージョンを阻害している要因を特定できます。例えば、特定のチャネルからのユーザーが特定のページで離脱している場合、そのページの改善が必要となるでしょう。
ユーザーエクスペリエンスの向上：各チャネルグループのユーザーがウェブサイト内でどのような行動をとっているかを分析することで、ユーザーエクスペリエンスを向上させるためのヒントを得ることができます。例えば、特定のチャネルからのユーザーが特定のコンテンツを頻繁に閲覧している場合、そのコンテンツをより目立つ場所に配置することで、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。

4.3 カスタムチャネルグループとコンバージョンの関係性

カスタムチャネルグループを活用することで、どのチャネルがコンバージョンに最も貢献しているかを把握できます。これにより、費用対効果の高いチャネルにリソースを集中させることができます。

チャネルグループ	コンバージョン数	コンバージョン率
オーガニック検索	100	5%
有料検索	50	10%
ソーシャルメディア	20	2%
メールマガジン	30	15%

上記の例では、メールマガジンからのコンバージョン率が最も高く、効率的にコンバージョンを獲得できていることがわかります。このように、カスタムチャネルグループとコンバージョンを関連付けることで、マーケティングROIの最大化に繋げることができます。それぞれのチャネルグループの特性を理解し、適切なKPIを設定することで、より精度の高い効果測定が可能になります。 例えば、ブランディングを目的としたチャネルでは、コンバージョン数ではなく、リーチ数やエンゲージメント率をKPIとするべきでしょう。

カスタムチャネルグループは、多角的な分析を可能にする強力なツールです。適切に活用することで、データに基づいた意思決定を行い、マーケティング効果の最大化を実現できるでしょう。

5. カスタムチャネルグループ作成時の注意点

カスタムチャネルグループは、データ分析をより詳細に行うための強力なツールですが、適切に設定しなければ正確な分析結果を得ることができません。ここでは、カスタムチャネルグループを作成する際に注意すべき点について解説します。

5.1 重複したチャネルの定義

カスタムチャネルグループを作成する際の最も重要な注意点の一つは、チャネルの重複定義です。複数のチャネルグループに同じチャネルを含めてしまうと、データが二重にカウントされ、正確な分析結果が得られなくなります。例えば、「オーガニック検索」チャネルを複数のチャネルグループに含めると、オーガニック検索からのトラフィックが重複して計上され、全体のトラフィックが過大に見積もられてしまう可能性があります。これを防ぐためには、各チャネルが所属するチャネルグループを明確に定義し、重複がないように注意深く設定する必要があります。

5.1.1 重複定義のチェック方法

作成したカスタムチャネルグループに重複がないかを確認するためには、各チャネルグループの定義を注意深く見直すことが重要です。特に、正規表現を使用している場合は、意図しないチャネルが含まれていないかを確認しましょう。また、Google アナリティクス 4 のレポート機能を活用して、各チャネルグループのトラフィックデータを確認し、不自然な数値が出ていないかを確認することも有効です。

5.2 グループ化の粒度

カスタムチャネルグループを作成する際には、グループ化の粒度も重要な考慮事項です。粒度が細かすぎると、チャネルグループ数が多くなりすぎて管理が煩雑になるだけでなく、全体的な傾向を把握しにくくなる可能性があります。逆に、粒度が粗すぎると、詳細な分析が難しくなり、改善点の特定が困難になります。分析の目的や必要な情報に応じて、適切な粒度でチャネルグループを作成することが重要です。

5.2.1 粒度の調整方法

適切な粒度を見つけるためには、分析の目的を明確にすることが重要です。例えば、特定のキャンペーンの効果を詳細に分析したい場合は、キャンペーンごとにチャネルグループを作成するなど、細かい粒度で設定する必要があります。一方、ウェブサイト全体のトラフィック傾向を把握したい場合は、より大きな粒度でチャネルグループを作成する方が効果的です。必要に応じて、複数の粒度でチャネルグループを作成し、分析の目的に合わせて使い分けることも有効です。

5.3 定期的な見直し

ウェブサイトの状況やマーケティング戦略は常に変化するため、一度作成したカスタムチャネルグループが常に最適とは限りません。定期的な見直しを行い、必要に応じてチャネルグループの定義や粒度を調整することで、常に正確で有益な分析結果を得ることができます。例えば、新しいマーケティングキャンペーンを開始した場合や、ウェブサイトの構成を変更した場合は、カスタムチャネルグループを見直す必要があります。また、定期的にレポートを確認し、現状に合わなくなっているチャネルグループがないかを確認することも重要です。

5.3.1 見直しの頻度

見直しの頻度は、ウェブサイトの規模や変化のスピードによって異なりますが、少なくとも四半期に一度は見直すことを推奨します。また、大きな変更を加えた場合は、その都度見直すようにしましょう。見直しを行う際には、以下の点を確認します。

確認項目	詳細
チャネルの重複	複数のチャネルグループに同じチャネルが含まれていないか確認します。
グループ化の粒度	現在の分析ニーズに合っているか確認し、必要に応じて調整します。
不要なチャネルグループ	使用していないチャネルグループがあれば削除します。
新しいチャネルグループの必要性	新しいマーケティング施策などに対応するために、新しいチャネルグループが必要か検討します。

これらの注意点に留意し、適切にカスタムチャネルグループを設定することで、Google アナリティクス 4 を最大限に活用し、効果的なデータ分析を行うことができます。

6. まとめ

この記事では、Googleアナリティクス4（GA4）のカスタムチャネルグループについて、その概要から作成方法、活用方法、注意点までを解説しました。カスタムチャネルグループは、デフォルトのチャネルグループでは分析しづらいアクセスを、独自のルールでグループ化できる機能です。これにより、マーケティング施策の効果測定やウェブサイト改善に役立つ詳細な分析が可能になります。

例えば、特定のキャンペーンや参照元からのアクセスをグループ化することで、それぞれの効果を正確に把握できます。また、正規表現を活用すれば、複雑な条件にも対応可能です。作成時には、チャネルの重複やグループ化の粒度に注意し、定期的な見直しを行うことが重要です。適切に設定・活用することで、ウェブサイトへのアクセスをより深く理解し、データに基づいた効果的な改善策を導き出すことができます。