メルマガマーケティングを成功させるためには、開封率とクリック率の向上が不可欠です。しかし、多くの企業がこれらの数値を向上させるのに苦労しています。低い開封率・クリック率の原因は、件名の魅力不足、配信時間帯の不適切さ、コンテンツのニーズ不一致など様々です。
本記事では、メルマガの開封率・クリック率の平均値や目安、低迷する原因、そして具体的な改善施策を、BtoB、BtoC、ECサイトなど業種別に分けて解説します。Google Analyticsや主要メルマガ配信スタンドの分析機能といった計測ツールも紹介することで、開封率・クリック率を向上させるための実践的な知識を得られます。この記事を読み終える頃には、メルマガの効果を最大化するための具体的な方法を理解し、売上向上に繋がる戦略を立てることができるでしょう。

1. メルマガ開封率とは
メルマガ開封率とは、送信したメルマガが受信者によって開封された割合を示す指標です。マーケティング効果を測る上で重要なKPIの一つであり、メルマガ戦略の成功を左右すると言っても過言ではありません。開封率が高いということは、それだけ多くの読者にメルマガの内容が届いていることを意味し、コンバージョン(商品購入、資料請求、会員登録など)に繋がる可能性が高まります。逆に開封率が低い場合は、せっかく作成したメルマガの内容が読まれていない可能性が高く、メルマガマーケティングの効果が薄れてしまいます。そのため、開封率を継続的に計測・分析し、改善していくことが重要です。
1.1 開封率の計算方法
メルマガの開封率は、以下の式で計算されます。
開封率 (%) = (開封数 ÷ 送信数) × 100
例えば、1000通のメルマガを送信し、そのうち200通が開封された場合、開封率は (200 ÷ 1000) × 100 = 20% となります。ただし、開封数のカウント方法には注意が必要です。多くのメルマガ配信スタンドでは、メルマガに含まれる画像が受信者のメールクライアントで表示された際に開封としてカウントされます。そのため、テキストメールの場合や、画像が表示されない設定になっている受信者の場合は、開封としてカウントされないことがあります。また、開封確認のためのトラッキングピクセルがセキュリティソフトによってブロックされるケースもあるため、実際の開封数よりも若干少なくカウントされる可能性があることも理解しておきましょう。
1.2 メルマガ開封率の重要性
メルマガ開封率は、なぜ重要なのでしょうか?その理由は、以下の3点に集約されます。
- メルマガマーケティングの効果測定:開封率は、メルマガが読者に届いているかどうかの指標となるため、メルマガマーケティングの効果を測る上で重要なKPIとなります。開封率が低い場合は、件名や配信時間、コンテンツ内容などを見直す必要があります。
- コンバージョン率向上への貢献:メルマガが開封されなければ、その内容は読まれません。開封率を高めることで、メルマガの内容を読んでもらう機会が増え、コンバージョン率の向上に繋がります。魅力的な件名設定や、読者ニーズに合ったコンテンツ配信などを通して、開封率を高める努力が重要です。
- 顧客エンゲージメントの向上:定期的にメルマガを開封してくれる読者は、企業やブランドへの関心が高いと考えられます。開封率を高めることは、顧客との良好な関係構築に役立ち、エンゲージメントの向上に繋がります。パーソナライズされたメルマガ配信や、双方向コミュニケーションの促進などを通して、顧客エンゲージメントを高める施策が重要です。
指標 | 意味 | 重要性 |
---|---|---|
開封率 | 送信したメルマガが受信者によって開封された割合 | メルマガマーケティングの効果測定、コンバージョン率向上への貢献、顧客エンゲージメントの向上に繋がる重要なKPI |
クリック率 | メルマガ内のリンクがクリックされた割合 | メルマガコンテンツへの関心度合いを測る指標となり、ウェブサイトへの誘導やコンバージョン促進に繋がる |
コンバージョン率 | メルマガ経由でコンバージョンに至った割合 | 最終的なマーケティング目標達成度合いを測る重要な指標 |
上記のように、開封率はメルマガマーケティングの効果を最大化するために欠かせない指標です。開封率を向上させるためには、件名の最適化、配信時間・頻度の調整、コンテンツのパーソナライズなど、様々な施策を検討・実行する必要があります。後述する具体的な施策を参考に、開封率向上に取り組んでみましょう。
2. メルマガクリック率とは
メルマガクリック率とは、配信したメールマガジンに含まれるURLのクリック数を、配信数で割った値のことです。パーセント(%)で表されます。例えば、1,000通のメルマガを配信し、その中のURLが100回クリックされた場合、クリック率は10%となります。これは、メルマガを受け取った読者のうち、どれだけの割合が実際にメール内のコンテンツに興味を持ち、行動を起こしたかを示す重要な指標です。開封率がメルマガの「入り口」の指標だとすれば、クリック率はメルマガの「出口」の指標と言えるでしょう。クリック率が高いほど、メルマガの内容が読者のニーズに合致し、効果的にエンゲージメントを高めていることを示唆します。
2.1 クリック率の計算方法
クリック率は、以下の式で計算します。
クリック率(%) = (クリック数 ÷ 配信数) × 100
例えば、配信数が5,000でクリック数が250だった場合、クリック率は(250 ÷ 5,000)× 100 = 5% となります。
2.2 メルマガクリック率の重要性
メルマガクリック率は、単なる数字以上の意味を持ちます。クリック率を分析することで、メルマガマーケティングの成功度を測り、改善点を見つけることができます。クリック率が低い場合は、読者のニーズを捉えきれていない、コンテンツの魅力が不足している、CTA(Call To Action:行動喚起)が効果的でないなどの問題点が考えられます。逆に、クリック率が高い場合は、メルマガ戦略が効果的に機能していることを示し、今後の施策展開の指針となります。
クリック率は、最終的なコンバージョン(商品購入、資料請求、会員登録など)に繋がる重要なステップです。クリック率を高めることで、ウェブサイトへの流入量を増やし、コンバージョン率の向上に貢献します。そのため、メルマガマーケティングにおいては、開封率だけでなく、クリック率にも注目し、継続的な改善を図ることが重要です。
クリック率を向上させるためには、ターゲットを明確化し、読者層に合わせたコンテンツ作成、効果的なCTAの設定、メルマガデザインの最適化など、様々な施策が有効です。また、A/Bテストを実施し、データに基づいた改善を行うことも重要です。
指標 | 意味 | 改善ポイント |
---|---|---|
クリック率 | メルマガ内のURLクリック数を配信数で割った値 | CTAの最適化、コンテンツの魅力向上 |
ユニーククリック率 | メルマガ内のURLを少なくとも1回以上クリックしたユニークユーザー数を配信数で割った値 | コンテンツの多様化、セグメンテーション |
CTR(Click Through Rate) | クリック率と同義 | 同上 |
CTOR(Click-to-Open Rate) | 開封ユーザーのうち、URLをクリックしたユーザーの割合 | メルマガ本文の構成、デザイン改善 |
上記のように、クリック率に関連する指標は複数存在します。それぞれの指標を理解し、目的に合わせて分析することで、より効果的なメルマガマーケティングを実現できます。例えば、CTORを分析することで、開封後のユーザーエンゲージメントを把握し、メルマガ本文の内容やデザインの改善につなげることができます。
3. メルマガ開封率・クリック率の業界別平均値と目安
メルマガマーケティングの効果測定において、開封率とクリック率は重要な指標です。しかし、これらの数値は業界やターゲット層によって大きく変動します。ここでは、主要業種別の平均値と目安、全体的な傾向を解説し、現状把握と改善のヒントを提供します。
3.1 主要業種別の開封率・クリック率
業種によって、開封率とクリック率の平均値は大きく異なります。BtoB、BtoC、ECサイトなど、それぞれの特性を理解し、適切な目標設定を行いましょう。
3.1.1 BtoB企業の開封率・クリック率
BtoB企業のメルマガは、業務に関連する情報提供やリードナーチャリングを目的とするものが多く、比較的高めの開封率・クリック率が期待できます。ただし、ターゲット層の役職や業種、配信内容によって数値は変動します。
指標 | 平均値の目安 | 要因 |
---|---|---|
開封率 | 20%〜30% | 専門性の高い情報、関係構築の重視 |
クリック率 | 2%〜5% | 資料ダウンロード、ウェビナー参加など明確なCTA |
特にIT業界や製造業など、専門性の高い業界では、有益な情報提供が重視されるため、開封率・クリック率ともに高くなる傾向があります。
3.1.2 BtoC企業の開封率・クリック率
BtoC企業のメルマガは、商品紹介やキャンペーン告知、ブランディングなどを目的とするものが多く、BtoBに比べて開封率・クリック率は低くなる傾向があります。競合が多く、消費者の受信メール数が多いことが要因として考えられます。
指標 | 平均値の目安 | 要因 |
---|---|---|
開封率 | 15%〜25% | ブランド認知度、顧客ロイヤリティ |
クリック率 | 1%〜3% | キャンペーンへの参加、商品購入ページへの誘導 |
アパレル業界や飲食業界など、トレンドに敏感な業界では、魅力的なキャンペーンや新商品情報がクリック率向上に繋がります。
3.1.3 ECサイトの開封率・クリック率
ECサイトのメルマガは、商品購入を促進するための重要なツールであり、セグメンテーションやパーソナライズが効果的です。購入履歴や閲覧履歴に基づいたレコメンド商品や、カート放棄者へのリマインダーメールなどは、高い開封率・クリック率が期待できます。
指標 | 平均値の目安 | 要因 |
---|---|---|
開封率 | 10%〜20% | パーソナライズされたおすすめ商品、限定セール情報 |
クリック率 | 2%〜5% | 商品購入ページへの直接リンク、クーポン配布 |
リピーターへのメルマガは、新規顧客向けよりも開封率・クリック率が高くなる傾向があります。顧客関係の構築が重要です。
3.2 メルマガ開封率・クリック率の全体的な目安
業界別の平均値を参考にするだけでなく、自社のメルマガの目的やターゲット層、配信内容に合わせて適切な目標を設定することが重要です。一般的には、開封率20%、クリック率2%程度が目安とされていますが、メルマガ配信スタンドや調査会社によっては異なる数値が提示されている場合もあります。 常に最新の情報を収集し、自社の状況に合わせて柔軟に目標を設定しましょう。また、競合他社のメルマガを分析することも、ベンチマークとして有効です。配信頻度や時間帯、件名、コンテンツの内容などを比較することで、改善点を見つけることができます。
4. メルマガの開封率が低い原因
メルマガの開封率が低い原因は様々ですが、主な原因を特定し改善することで、開封率を向上させることが可能です。ここでは、開封率低下の原因を詳しく解説します。
4.1 件名が魅力的でない
ユーザーがメルマガを開封するかどうかは、件名でほぼ決まります。件名が魅力的でなければ、中身を読んでもらえる可能性は低くなります。具体的には、件名を見ただけでメルマガの内容が理解できなかったり、メリットが感じられなかったりすると開封率は低下します。また、長すぎる件名や、記号の多用、繰り返し同じような件名を使用するなども開封率低下の原因となります。
4.2 配信頻度が高すぎる、または低すぎる
メルマガの配信頻度も開封率に大きく影響します。配信頻度が高すぎると、ユーザーに負担感を与え、購読解除につながる可能性があります。逆に、配信頻度が低すぎると、ユーザーにメルマガの存在を忘れられてしまい、開封率が低下する可能性があります。最適な配信頻度は、ターゲット層やメルマガの内容によって異なります。
4.3 配信時間帯が適切でない
メルマガの配信時間帯も開封率に影響します。ユーザーがメルマガを確認しやすい時間帯に配信することで、開封率を向上させることができます。例えば、通勤時間帯や昼休み時間帯などは、多くのユーザーがスマートフォンやパソコンを確認する時間帯であるため、開封率が高くなる傾向があります。ターゲット層の生活習慣を考慮し、最適な配信時間帯を設定することが重要です。
4.4 コンテンツの内容が読者のニーズに合っていない
メルマガの内容が読者のニーズに合っていなければ、開封率は低下します。ユーザーにとって有益な情報、興味深いコンテンツ、または特別なオファーなどを提供することで、開封率を向上させることができます。配信リストのセグメンテーションを行い、それぞれのセグメントに合わせたコンテンツを配信することも効果的です。
4.5 セグメンテーションが不十分
セグメンテーションとは、配信リストを特定の属性に基づいてグループ分けすることです。セグメンテーションが不十分だと、すべてのユーザーに同じ内容のメルマガが配信されてしまい、開封率が低下する原因となります。例えば、購買履歴、年齢、性別、居住地などでセグメントを分け、それぞれのセグメントに最適なコンテンツを配信することで、開封率を向上させることができます。
4.6 配信ドメインの評価が低い
メルマガの配信ドメインの評価が低いと、迷惑メールフォルダに振り分けられてしまい、ユーザーに届かない可能性があります。SPF、DKIM、DMARCなどの認証設定を適切に行い、配信ドメインの評価を高めることが重要です。また、ブラックリストに登録されていないか確認することも必要です。
4.7 モバイル対応が不十分
現在、多くの人がスマートフォンでメールを確認しています。メルマガがモバイル対応していない場合、ユーザーは内容を確認しづらく、開封率が低下するだけでなく、ユーザーエクスペリエンスの低下につながります。レスポンシブデザインを採用し、スマートフォンでも見やすいメルマガを作成することが重要です。
原因 | 具体的な内容 | 改善策 |
---|---|---|
件名が魅力的でない | 内容が不明瞭、メリットが不明、長すぎる、記号が多い | 具体的な内容、メリットを明記、簡潔に、記号を減らす、数字を使う |
配信頻度が不適切 | 高すぎる、低すぎる | 適切な頻度を見つける(アンケート、A/Bテストなど) |
配信時間帯が不適切 | ユーザーが確認しにくい時間帯 | ユーザーの行動パターンを分析し最適な時間帯を設定 |
コンテンツがニーズに合っていない | ユーザーにとって不要な情報 | ペルソナ設定、セグメンテーション、アンケートの実施 |
セグメンテーション不足 | 全員に同じ内容を配信 | 属性に基づいたセグメンテーション、個別配信 |
配信ドメインの評価が低い | 迷惑メールフォルダに振り分けられる | 認証設定、ブラックリスト確認 |
モバイル対応が不十分 | スマートフォンで閲覧しにくい | レスポンシブデザインの採用 |
5. メルマガのクリック率が低い原因
メルマガの開封率がどれだけ高くても、肝心のクリック率が低ければコンバージョンには繋がりません。クリック率が低い原因を特定し、改善策を講じることで、メルマガマーケティングの効果を最大化しましょう。
5.1 CTAが明確でない、または魅力的でない
読者にクリックを促すための行動喚起(Call To Action:CTA)が不明確だと、クリック率は低下します。「詳細はこちら」「資料請求」といった一般的なCTAではなく、メルマガの内容と関連性の高い、具体的な行動を促すCTAを設定しましょう。また、CTAボタンの色やサイズ、配置場所などもクリック率に影響を与えます。視覚的に目立つように工夫し、クリックしやすいデザインを心がけましょう。
5.1.1 CTAボタンの改善例
- 悪い例:「もっと見る」
- 良い例:「期間限定キャンペーンに申し込む」
5.2 メルマガのデザインが見づらい
ゴチャゴチャしたデザインや、スマートフォンで閲覧しづらいレイアウトは、ユーザーの離脱を招き、クリック率の低下に繋がります。レスポンシブデザインを採用し、どのデバイスでも快適に閲覧できるよう最適化しましょう。また、画像やテキストのバランス、フォントの種類やサイズ、行間なども重要です。読みやすいデザインを心がけ、ユーザービリティを高めることで、クリック率の向上に繋がります。
5.2.1 デザイン改善のポイント
- レスポンシブデザインの採用
- 適切なフォントサイズと行間
- 画像とテキストのバランス
5.3 パーソナライズが不十分
読者一人ひとりの属性や興味関心に基づいたパーソナライズされたコンテンツを提供することで、クリック率を向上させることができます。名前や居住地などの基本情報だけでなく、過去の購買履歴やウェブサイトの閲覧履歴などを活用し、個々のニーズに合わせた情報を配信しましょう。セグメントごとに配信内容を最適化することで、より高いエンゲージメントを獲得できます。
5.3.1 パーソナライズの例
- 名前を挿入した件名
- 閲覧履歴に基づいた商品紹介
- 地域に合わせたイベント情報
5.4 配信ドメインの評価が低い
迷惑メールとして扱われることを避けるためには、配信ドメインの評価を高めることが重要です。SPF、DKIM、DMARCといった認証技術を導入し、メールの信頼性を高めましょう。また、ブラックリストに登録されないよう、配信リストの管理や配信頻度にも注意が必要です。高いドメイン評価を維持することで、メルマガが迷惑メールフォルダに振り分けられるリスクを減らし、開封率・クリック率の向上に貢献します。
5.4.1 ドメイン評価を高めるための対策
対策 | 説明 |
---|---|
SPFレコードの設定 | 送信元ドメインを許可するIPアドレスを指定 |
DKIMの設定 | メールのデジタル署名によりなりすましを防ぐ |
DMARCの設定 | SPF/DKIMに準拠しないメールの処理方法を指定 |
配信リストのクリーニング | 無効なアドレスや不達アドレスを削除 |
6. メルマガ開封率を上げる7つの施策
メルマガの開封率を上げるためには、様々な施策を組み合わせることが重要です。ここでは、特に効果的な7つの施策を紹介します。
6.1 件名で読者の興味を引く
件名は、読者がメルマガを開封するかどうかを決定づける重要な要素です。魅力的な件名を作成することで、開封率を大幅に向上させることができます。
6.1.1 件名作成のポイント
- 具体性を持たせる
- 「【最新情報】新商品の発売開始!」よりも「【本日限定】人気No.1商品が〇〇%OFF!」のように具体的な情報を盛り込むことで、読者の興味を引きつけやすくなります。
- 緊急性を持たせる
- 「期間限定」「今だけ」といった言葉を使うことで、読者にすぐに開封してもらえる可能性が高まります。
- 数字を使う
- 「7つの方法」「3つのメリット」のように数字を使うことで、内容が整理されている印象を与え、読者の理解を促進します。
- パーソナライズする
- 読者の名前や属性に合わせて件名を変更することで、よりパーソナルな印象を与え、開封率の向上に繋がります。
- 疑問形を使う
- 「〇〇でお悩みではありませんか?」のように疑問形を使うことで、読者の共感を誘い、開封率を高めることができます。
- 絵文字を使う
- 件名に絵文字を使うことで、視覚的な訴求力を高め、開封率の向上に繋がることがあります。ただし、使いすぎには注意が必要です。
- ABテストを行う
- 複数の件名を作成し、どちらの開封率が高いかをテストすることで、より効果的な件名を見つけることができます。
6.2 配信頻度と時間帯を最適化する
メルマガの配信頻度や時間帯が適切でない場合、読者にストレスを与えてしまい、開封率の低下や解除に繋がる可能性があります。読者の属性やメルマガの内容に最適な配信頻度と時間帯を見つけ出すことが重要です。
6.2.1 配信頻度の目安
- デイリー:速報性のある情報や、毎日更新されるコンテンツに適しています。
- ウィークリー:まとめ情報や、定期的なお知らせに適しています。
- マンスリー:重要なお知らせや、キャンペーン情報に適しています。
6.2.2 配信時間帯の目安
- 通勤時間帯(7時〜9時):移動中にメルマガをチェックする人が多いため、開封率が高くなる傾向があります。
- 昼休み時間帯(12時〜13時):休憩中にメルマガをチェックする人が多いため、開封率が高くなる傾向があります。
- 帰宅時間帯(18時〜20時):自宅でゆっくりとメルマガを読む人が多いため、開封率が高くなる傾向があります。
上記はあくまで目安であり、ターゲット層によって最適な配信頻度と時間帯は異なります。効果測定ツールなどを活用し、最適な配信頻度と時間帯を検証していくことが重要です。
6.3 読者ニーズに合ったコンテンツを提供する
読者のニーズに合っていないコンテンツは、開封率の低下に繋がります。読者にとって有益な情報や、興味を引くコンテンツを提供することで、開封率を向上させることができます。ペルソナ設定やアンケート調査などを活用し、読者ニーズを的確に捉えましょう。
6.3.1 読者ニーズに合ったコンテンツの例
- 業界の最新情報
- 役立つノウハウや tips
- お得なキャンペーン情報
- 読者限定のコンテンツ
6.4 セグメンテーションでターゲティング精度を高める
読者全員に同じ内容のメルマガを配信するのではなく、属性や興味関心に基づいて読者をグループ分けし、それぞれのグループに最適なコンテンツを配信することで、開封率やクリック率の向上に繋がります。
6.4.1 セグメンテーションの例
- 属性別:年齢、性別、居住地など
- 興味関心別:購入した商品、閲覧したページなど
- 行動別:メルマガの開封状況、Webサイトの訪問頻度など
6.5 メルマガ配信スタンドを活用する
メルマガ配信スタンドには、開封率やクリック率の計測、セグメンテーション配信、HTMLメールの作成など、メルマガマーケティングを効率的に行うための様々な機能が備わっています。無料プランを提供しているサービスもあるため、まずは試用して、自社に合った配信スタンドを見つけることが重要です。
6.5.1 代表的なメルマガ配信スタンド
配信スタンド名 | 特徴 |
---|---|
Benchmark Email | 直感的なインターフェースで操作が簡単 |
Mailchimp | 豊富な機能と連携サービスが魅力 |
SendGrid | 高 deliverability が強み |
6.6 HTMLメールのデザインを見やすくする
HTMLメールを使用することで、画像や動画などを用いて視覚的に訴求力の高いメルマガを作成することができます。ただし、デザイン性だけでなく、モバイル対応や表示速度にも配慮することが重要です。
6.6.1 HTMLメール作成のポイント
- レスポンシブデザインを採用する
- alt属性を適切に設定する
- 表示速度を最適化する
6.7 効果測定に基づいて改善を繰り返す
開封率やクリック率などの効果測定を行い、データに基づいて改善を繰り返すことで、メルマガの効果を最大化することができます。PDCAサイクルを回し、継続的に改善していくことが重要です。
6.7.1 効果測定のポイント
- 開封率
- クリック率
- コンバージョン率
- 解除率
7. メルマガクリック率を上げる7つの施策
メルマガのクリック率が低い場合、せっかく開封してもらっても、コンバージョンに繋がりません。ここでは、メルマガのクリック率を向上させるための7つの施策を紹介します。
7.1 1. 明確で魅力的なCTAを設置する
CTA(Call To Action)とは、読者に特定の行動を促すためのボタンやテキストのことです。クリック率を向上させるためには、CTAを明確かつ魅力的にする必要があります。CTAボタンが目立つようにデザインしたり、行動を促す言葉を使うことで、クリック率を向上させることができます。
7.1.1 CTAボタンの設置場所
CTAボタンは、メルマガ本文の冒頭、文中、そして末尾に設置するのが効果的です。読者のスクロール状況に応じて、適切な場所にCTAを配置することで、クリック率の向上に繋がります。
7.1.2 CTAボタンのデザイン
CTAボタンは、メルマガ全体のデザインと調和しながらも、目立つようにデザインすることが重要です。例えば、コントラストの強い色を使用したり、ボタンのサイズを大きくすることで、クリック率を向上させることができます。また、アニメーション効果を加えることも有効です。
7.1.3 行動を促す言葉
CTAボタンには、「詳細はこちら」「今すぐ購入」など、読者に具体的な行動を促す言葉を使用しましょう。曖昧な表現ではなく、行動をイメージしやすい言葉を選ぶことで、クリック率の向上に繋がります。
7.2 2. メルマガのデザインを改善する
メルマガのデザインは、クリック率に大きく影響します。見やすく、読みやすいデザインを心がけることで、読者の離脱を防ぎ、クリック率を向上させることができます。レスポンシブデザインを採用し、スマートフォンでも快適に閲覧できるようにしましょう。また、画像や動画を効果的に使用することで、読者のエンゲージメントを高めることができます。
7.2.1 レスポンシブデザインの重要性
多くのユーザーがスマートフォンでメールを確認するため、レスポンシブデザインは必須です。スマートフォンで正しく表示されないメルマガは、読者の離脱に繋がり、クリック率の低下を招きます。
7.2.2 画像・動画の活用
視覚的な要素は、読者の興味を引きつけ、メルマガの内容を理解しやすくする上で効果的です。適切な画像や動画を使用することで、クリック率の向上に繋がります。ただし、画像の容量が大きすぎると、表示速度が遅くなるため注意が必要です。
7.3 3. パーソナライズで読者一人ひとりに最適な情報を届ける
読者の属性や行動履歴に基づいてメルマガの内容をパーソナライズすることで、読者の興味関心を高め、クリック率を向上させることができます。名前や興味関心に基づいたコンテンツを提供することで、読者とのエンゲージメントを高めることが可能です。
7.3.1 属性に基づいたセグメント配信
年齢、性別、居住地など、読者の属性に基づいてメルマガを配信することで、よりパーソナライズされた情報を届けることができます。
7.3.2 行動履歴に基づいたレコメンド
過去の購買履歴やウェブサイトの閲覧履歴に基づいて、読者一人ひとりに最適な商品やコンテンツをレコメンドすることで、クリック率の向上に繋がります。
7.4 4. 配信ドメインの評価を高める
配信ドメインの評価が低いと、メルマガが迷惑メールフォルダに振り分けられてしまい、開封率・クリック率の低下に繋がります。SPF、DKIM、DMARCといった認証技術を導入し、配信ドメインの信頼性を高めることが重要です。
認証技術 | 概要 |
---|---|
SPF | 送信元ドメインのなりすましを防ぐための技術 |
DKIM | メールの改ざんを検知するための技術 |
DMARC | SPFとDKIMに基づいて、なりすましメールへの対応を指示する技術 |
7.5 5. A/Bテストで効果的な施策を見つける
A/Bテストとは、異なるバージョンのメルマガを作成し、どちらがより効果的かを検証する方法です。件名、本文、CTAなど、様々な要素をテストすることで、クリック率を最大化することができます。検証結果に基づいて、継続的に改善していくことが重要です。
7.5.1 A/Bテストの実施手順
- テスト項目を決定する
- 複数パターンのメルマガを作成する
- 各パターンを配信する
- 結果を分析し、効果的な施策を見つける
7.6 6. メルマガ配信スタンドの機能を活用する
多くのメルマガ配信スタンドは、クリック率向上に役立つ機能を提供しています。例えば、セグメント配信機能、パーソナライズ機能、A/Bテスト機能などがあります。これらの機能を効果的に活用することで、クリック率を向上させることができます。各配信スタンドが提供する機能を理解し、積極的に活用しましょう。
7.6.1 代表的なメルマガ配信スタンド
- Benchmark Email
- Mailchimp
- SendGrid
7.7 7. 効果測定に基づいて改善を繰り返す
メルマガのクリック率向上は、一朝一夕で達成できるものではありません。効果測定ツールを活用し、クリック率などの指標を定期的に確認し、改善を繰り返すことが重要です。PDCAサイクルを回し、継続的に改善していくことで、メルマガマーケティングの効果を最大化することができます。
これらの施策を参考に、メルマガのクリック率向上に取り組んでみてください。
8. メルマガ開封率・クリック率を計測・分析するツール
メルマガの効果測定は、開封率やクリック率といった指標を分析することで、改善策を検討するために不可欠です。ここでは、代表的な計測・分析ツールとその活用方法について解説します。
8.1 Google Analytics
Google Analyticsは、ウェブサイトへのアクセス状況を分析するための無料ツールですが、メルマガの効果測定にも活用できます。UTMパラメータと呼ばれる特殊なタグをメルマガ内のリンクに付与することで、Google Analytics上でメルマガ経由のアクセスを識別し、コンバージョンへの貢献度などを分析することが可能です。
8.1.1 UTMパラメータの設定方法
UTMパラメータは、URLの末尾に「?」に続けて、以下のような形式で追加します。
主なパラメータは以下のとおりです。
パラメータ | 説明 | 例 |
---|---|---|
utm_source | トラフィックの発生元(必須) | メールマガジン |
utm_medium | トラフィックの媒体(必須) | |
utm_campaign | キャンペーン名(必須) | 202401_newsletter |
utm_term | キーワード(任意) | キャンペーンキーワード |
utm_content | 広告の内容(任意) | バナーA |
これらのパラメータを適切に設定することで、どのメルマガからどの程度のアクセスやコンバージョンが発生したかを詳細に分析できます。例えば、複数のメルマガを配信している場合、それぞれの効果を比較することで、より効果的なメルマガ配信戦略を立てることができます。
8.1.2 Google Analyticsで確認できる指標
Google Analyticsでは、以下のような指標を確認できます。
- メルマガ経由のセッション数:メルマガのリンクをクリックしてウェブサイトにアクセスした回数
- メルマガ経由のコンバージョン数:メルマガ経由で商品購入や資料請求などの目標を達成した回数
- メルマガ経由のコンバージョン率:メルマガ経由のセッション数に対するコンバージョン数の割合
8.2 主要メルマガ配信スタンドの分析機能
多くのメルマガ配信スタンドは、開封率やクリック率などの基本的な指標を計測・分析するための機能を備えています。これらの機能を活用することで、メルマガの効果を簡単に把握し、改善につなげることができます。
8.2.1 代表的なメルマガ配信スタンドと分析機能
以下は、代表的なメルマガ配信スタンドとその分析機能の例です。
配信スタンド | 主な分析機能 |
---|---|
まぐまぐ! | 開封率、クリック率、配信数、登録解除数など |
配配メール | 開封率、クリック率、クリックマップ、エラー分析など |
Benchmark Email | 開封率、クリック率、A/Bテスト、位置情報分析など |
SendGrid | 開封率、クリック率、スパム報告率、配信到達率など |
これらの配信スタンドでは、配信結果をグラフなどで視覚的に確認できるだけでなく、CSV形式でデータをダウンロードできる場合もあります。データをダウンロードすることで、より詳細な分析を行うことが可能です。配信スタンドによって提供される機能は異なるため、事前に確認しておくことが重要です。また、無料プランでは利用できる機能が制限されている場合もあるため、注意が必要です。
これらのツールを組み合わせて活用することで、メルマガの効果を多角的に分析し、より効果的なメルマガマーケティングを実現できます。
9. まとめ
この記事では、メルマガの開封率・クリック率の平均値や目安、改善施策について解説しました。開封率・クリック率は、メルマガマーケティングの効果を測る上で重要な指標です。業界やターゲット層によって数値は変動しますが、全体的な目安を把握することで、自社のメルマガの効果を客観的に評価できます。開封率向上には、件名の工夫や配信時間帯の最適化、読者ニーズに合ったコンテンツ提供などが有効です。クリック率向上には、明確なCTAの設置やデザイン改善、パーソナライズなどが重要となります。Google Analyticsやメルマガ配信スタンドの分析機能を活用し、効果測定に基づいた改善を繰り返すことで、より効果的なメルマガマーケティングを実現できるでしょう。
