NPSとは?計算式やNPSアンケートの作成方法、活用方法を解説

顧客ロイヤルティを測る重要な指標であるNPS®(ネット・プロモーター・スコア)について、その定義から計算方法、アンケート作成のポイント、そして活用事例までを網羅的に解説します。NPS®を理解することで、顧客満足度向上、解約率の低下、そして最終的には売上向上に繋げるための具体的な方法を学ぶことができます。本記事では、NPS®の計算式はもちろん、推奨者、中立者、批判者それぞれの顧客セグメントへの効果的なアプローチ方法も紹介します。さらに、よくある失敗例や、CSAT、CESといった他の顧客満足度指標との違いも明確にすることで、NPS®をより深く理解し、実践的に活用できるようになります。顧客中心のビジネス戦略を構築し、持続的な成長を目指す上で欠かせないNPS®。ぜひ本記事でその真価を理解し、あなたのビジネスに役立ててください。

目次

1. NPSの概要

NPS(Net Promoter Score:ネット・プロモーター・スコア)は、顧客ロイヤルティを測る指標です。顧客に「0~10点で、この企業(あるいは、この製品・サービス)を友人や同僚に薦める可能性はどのくらいありますか?」という質問をし、その回答から算出されます。推奨度が高い顧客は企業の成長を促す「推奨者」となり、低い顧客は悪評を広める「批判者」となる可能性があるため、NPSを活用することで顧客ロイヤルティを把握し、事業成長につなげることができます。

1.1 NPSの定義と目的

NPSはフレッド・ライクヘルドが提唱した顧客ロイヤルティ指標で、企業やブランドに対する顧客の推奨意向を数値化します。顧客ロイヤルティは、顧客が企業に対してどれほど愛着や信頼を抱いているかを示す重要な指標です。NPSは、この顧客ロイヤルティを測定することで、企業の成長を促進するための施策を立案・実行する際に役立ちます。

NPSの目的は、顧客ロイヤルティを測定し、顧客満足度を向上させるための課題を特定することです。NPSを通じて顧客の声に耳を傾けることで、顧客体験の改善やサービス向上につなげ、最終的には企業の持続的な成長を目指します。

1.2 NPSで何がわかるのか

NPSによって、顧客のロイヤルティを把握することができます。顧客を「推奨者」「中立者」「批判者」の3つのグループに分類することで、それぞれの顧客層の割合を理解し、今後の顧客戦略に活かすことができます。

具体的には、以下のようなことがわかります。

  • 自社の顧客ロイヤルティの水準(業界平均と比較することで、自社の立ち位置を把握できる)
  • 推奨者・中立者・批判者の割合(それぞれの顧客層の割合を把握することで、改善すべきポイントが見えてくる)
  • 顧客体験の質(NPSスコアが高いほど、顧客体験の質が高い傾向にある)
  • 将来的な売上予測(推奨者はリピート購入や口コミによる新規顧客獲得につながるため、NPSスコアは将来的な売上予測にも役立つ)

1.3 NPSを使うメリット・デメリット

NPSには、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリットデメリット
シンプルでわかりやすい:質問が一つなので、顧客への負担が少ない
数値化できる:スコアで比較・評価できるため、進捗管理や目標設定がしやすい
業界比較が可能:公開されているベンチマークデータと比較することで、自社の立ち位置を把握できる
顧客体験の改善に役立つ:自由記述欄から具体的な改善策を導き出せる
スコアだけでは全体像を把握できない:スコアだけでなく、自由記述欄の分析やその他の指標と合わせて分析する必要がある
文化や地域によるスコアの差:文化や地域によってスコアの平均値が異なるため、単純な比較は難しい
アンケート実施方法による影響:実施方法によって回答に偏りが生じる可能性があるため、適切な方法を選択する必要がある

2. NPSの計算方法

NPS®(Net Promoter Score®)は、顧客ロイヤルティを測るための重要な指標です。その計算方法はシンプルながらも、顧客の行動を理解し、ビジネス改善につなげるための重要な洞察を提供します。この章では、NPSの計算式、推奨者・中立者・批判者の分類、そしてNPSスコアの解釈について詳しく解説します。

2.1 NPSの計算式

NPSの計算式は非常にシンプルです。

NPS = 推奨者の割合(%) - 批判者の割合(%)

この式からわかるように、NPSは-100から+100までの値を取ります。+100に近いほど顧客ロイヤルティが高く、-100に近いほど低いことを示します。具体的な計算例を見てみましょう。

区分回答者数割合
推奨者(9-10点)100人50%
中立者(7-8点)50人25%
批判者(0-6点)50人25%
合計200人100%

この場合、NPSは 50% – 25% = 25 となります。

2.2 推奨者・中立者・批判者の分類

NPSでは、顧客を以下の3つのグループに分類します。

  • 推奨者(Promoters):9点または10点:あなたのサービスや商品を積極的に他人に薦めてくれる熱心なファンです。リピート購入や口コミによる新規顧客獲得に貢献します。
  • 中立者(Passives):7点または8点:あなたのサービスや商品に満足していますが、特に熱心ではありません。競合他社の魅力的なオファーがあれば乗り換える可能性があります。
  • 批判者(Detractors):0点から6点:あなたのサービスや商品に不満を持っており、解約やネガティブな口コミを広める可能性があります。改善すべき点を把握するために、彼らの声に耳を傾けることが重要です。

2.3 NPSスコアの解釈

NPSスコアは、業界や企業規模によって大きく異なります。絶対的な数値だけで判断するのではなく、自社の過去のスコアとの比較や競合他社のスコアとの比較を行うことが重要です。一般的には、以下の基準で評価されます。

NPSスコア評価
50以上非常に優れている
30~49優れている
10~29良好
0~9平均的
-10~-1低い
-10以下非常に低い

ただし、この基準はあくまでも目安です。自社の状況に合わせて適切な目標を設定し、継続的な改善に努めることが重要です。NPSスコアを向上させるためには、批判者の数を減らし、推奨者の数を増やす必要があります。そのためには、顧客の声に耳を傾け、サービスや商品の改善に繋げることが重要です。また、従業員のエンゲージメントを高めることも、NPS向上に繋がると言われています。

3. NPSアンケートの作成方法

NPSアンケートで最も重要なのは、適切な質問を設計し、適切なターゲットに実施することです。 顧客の真のフィードバックを得るために、質問内容、実施方法、ターゲット選定まで、一つずつ丁寧に検討していく必要があります。

3.1 質問の設計

NPSアンケートの質問は、主に推奨度を測る質問改善点を尋ねる自由記述欄の2つのパートで構成されます。

3.1.1 推奨度を測る質問

この質問は、NPSの核となる部分です。 一般的には、「あなたは[企業/製品/サービス名]を友人や同僚にどの程度推奨したいですか?」という質問形式を用い、0点から10点までの11段階で回答してもらいます。 質問文は、対象とする顧客層やビジネスの特性に合わせて調整することが重要です。例えば、BtoB企業であれば「取引先」という言葉を使うなど、状況に合わせた表現を用いることで、より精度の高い回答を得ることができます。 また、質問の前に簡単な説明を加えることで、回答の精度を高めることも可能です。例えば、「0点を全く推奨しない、10点を非常に推奨するとして」といった補足説明を加えることで、回答者がスケールを正しく理解しやすくなります。

3.1.2 改善点を尋ねる自由記述欄

推奨度を測る質問に加えて、改善点を尋ねる自由記述欄を設けることで、具体的な改善策を見出すための貴重なフィードバックを得ることができます。 自由記述欄の質問文は、回答の質を高めるために工夫が必要です。例えば、「なぜそのように評価しましたか?」のようなシンプルな質問だけでなく、「[企業/製品/サービス名]をより良くするために、どのような改善を期待しますか?」といった具体的な質問をすることで、より actionable なフィードバックを得ることができます。 また、「特に良かった点、悪かった点を教えてください」のように、具体的な記述を促す質問も効果的です。 さらに、回答しやすいように、回答欄のサイズを大きくしたり、文字数制限を設けるなどの配慮も重要です。

3.2 アンケートの実施方法

NPSアンケートの実施方法は、大きく分けてオンラインと紙媒体の2種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、状況に合わせて適切な方法を選択することが重要です。

3.2.1 オンラインアンケートツール

Googleフォーム、SurveyMonkey、Qualtricsなど、様々なオンラインアンケートツールが利用可能です。オンラインアンケートツールは、回答データの集計や分析が容易であること、回答状況をリアルタイムで確認できること、アンケートの配信が容易であることなどがメリットとして挙げられます。 ただし、インターネット環境が必要であるため、ターゲットによっては利用できない場合もあります。 ツールによって機能や料金が異なるため、目的に合ったツールを選択することが重要です。

3.2.2 紙媒体でのアンケート

イベント会場や店舗などで、紙媒体でのアンケートを実施する方法もあります。 インターネット環境が不要であること、直接顧客に回答を依頼できることなどがメリットです。 ただし、集計作業に手間がかかること、回答率の把握が難しいことなどがデメリットとして挙げられます。 紙媒体でアンケートを実施する場合は、回収方法や回収期限を明確に伝えることが重要です。

3.3 ターゲット選定の重要性

誰にアンケートを実施するかは、NPSの結果を大きく左右する重要な要素です。ターゲット選定を誤ると、意味のないデータを集めてしまう可能性があります。 例えば、新規顧客と既存顧客では、企業や製品・サービスに対する期待値や評価基準が異なるため、同じアンケートを実施しても意味のある比較はできません。 ターゲットを明確にすることで、より精度の高いNPSデータを取得し、効果的な顧客体験の改善につなげることができます。 そのため、アンケートを実施する前に、顧客をセグメント化し、適切なターゲットを選定することが重要です。 例えば、顧客属性(年齢、性別、居住地など)、購買履歴、利用頻度など、様々な軸でセグメント化を行い、分析の目的に合ったターゲットを選定します。

実施方法メリットデメリット
オンラインアンケートツール集計・分析が容易、回答状況のリアルタイム確認、配信が容易インターネット環境が必要
紙媒体でのアンケートインターネット環境不要、直接回答依頼可能集計作業が手間、回答率の把握が難しい

4. NPSを活用した顧客体験の改善

NPS®︎を活用することで、顧客体験の改善につなげることが可能です。具体的な活用方法を解説します。

4.1 NPSスコアの推移の確認

NPSスコアを定期的に計測し、その推移を確認することで、顧客ロイヤルティの向上・低下の傾向を把握できます。時系列で変化を観察することで、施策の効果測定や、顧客体験における問題点の早期発見が可能です。

4.2 自由記述欄の分析

NPSアンケートの自由記述欄には、顧客の本音が隠されています。テキストマイニングツールなどを活用して分析することで、顧客のニーズや不満を具体的に把握し、サービス改善のヒントを得ることができます。ポジティブな意見はサービスの強みとして認識し、ネガティブな意見は改善すべきポイントとして捉えましょう。

4.3 批判者への対応

批判者は、サービスに不満を抱えている顧客です。迅速かつ丁寧な対応をすることで、顧客の不満を解消し、将来の解約やネガティブな口コミの拡散を防ぐことができます。個別に連絡を取り、具体的な不満内容をヒアリングし、真摯に対応することで、批判者をロイヤルカスタマーへと転換できる可能性も秘めています。

4.4 推奨者へのアプローチ

推奨者は、サービスに満足し、周囲に推奨してくれる貴重な顧客です。感謝の気持ちを伝えるとともに、ロイヤルティプログラムへの招待や、新商品・サービスの先行案内など、特別な特典を提供することで、更なる関係強化を図ることができます。また、口コミの投稿や紹介キャンペーンへの参加を促すことで、新規顧客獲得にも繋げられます。

4.5 部門別NPSの活用

NPSは、企業全体だけでなく、部門別にも活用できます。営業部門、カスタマーサポート部門、商品開発部門など、それぞれの部門でNPSを計測することで、部門ごとの顧客満足度を把握し、改善点を明確化できます。各部門が顧客中心の行動をとることで、企業全体の顧客体験向上に繋がります。

部門NPS活用例
営業部門顧客との商談後や契約後にNPSアンケートを実施し、顧客の満足度を把握。営業担当者ごとのNPSを比較することで、優秀な担当者の行動を分析し、他の担当者へ共有することで、営業力の底上げを図る。
カスタマーサポート部門サポート対応後にNPSアンケートを実施し、顧客の満足度を把握。対応スピード、正確性、丁寧さなど、具体的な評価項目を設定することで、サポート品質の向上に繋げる。
商品開発部門新商品・サービスの利用者に対してNPSアンケートを実施し、顧客の反応を把握。顧客のニーズを的確に捉え、商品開発に活かすことで、顧客満足度の高い商品・サービスを提供する。

NPSを活用することで、顧客ロイヤルティの向上、解約率の低下、口コミによる新規顧客獲得など、様々なメリットを得ることができます。継続的にNPSを計測し、顧客の声に耳を傾けることで、顧客体験を改善し、持続的な成長を実現しましょう。顧客体験の向上は、企業の競争力強化に不可欠な要素です。

5. NPS導入事例

NPS®を導入することで、顧客ロイヤルティの向上や事業成長に繋げている企業は多く存在します。ここでは、様々な業界におけるNPSの活用事例を紹介し、成功事例と失敗事例から学ぶべきポイントを解説します。

5.1 業界別NPS活用事例

業界ごとに顧客の特性やニーズは異なります。それぞれの業界に合ったNPSの活用方法を見ていきましょう。

5.1.1 飲食業界

飲食業界では、顧客の再来店率向上や口コミによる新規顧客獲得のためにNPSを活用しています。例えば、ファミリーレストランチェーンのすかいらーくグループでは、NPSを活用した顧客の声分析を通じて、店舗のサービス改善や新メニュー開発に役立てています。顧客の来店動機や満足度、不満点を詳細に分析することで、顧客体験の向上に繋げているのです。

5.1.2 小売業界

小売業界では、顧客の購買行動の理解や商品開発、顧客ロイヤリティ向上にNPSを活用しています。ユニクロは、NPSを通じて顧客の声を収集し、商品開発や店舗運営に反映させています。顧客のニーズを的確に捉え、顧客満足度を高めることで、ブランドロイヤルティの向上に成功しています。

5.1.3 サービス業

サービス業では、顧客満足度の向上やサービス改善、顧客維持にNPSを活用しています。例えば、日本航空(JAL)は、NPSを通じて顧客フィードバックを収集し、サービス品質向上に努めています。機内サービスや空港での対応など、様々な顧客接点を分析することで、顧客体験の向上を実現しています。

5.2 成功事例と失敗事例

NPS導入の成功事例と失敗事例から、効果的な活用方法を学びましょう。

事例企業名(仮称)内容結果
成功事例A社(家具メーカー)NPSアンケートで得られた批判者の声を真摯に受け止め、製品の改善やカスタマーサポートの強化に繋げた。顧客満足度が向上し、リピート率が15%増加。
成功事例B社(ECサイト運営)推奨者に対して優待クーポンを配布するなど、ロイヤルカスタマーへの育成施策を実施。推奨者の増加に伴い、新規顧客獲得数が増加。
失敗事例C社(通信会社)NPSスコアのみを重視し、自由記述欄の分析を怠った。顧客の真のニーズを把握できず、NPSスコアは向上しなかった。
失敗事例D社(ホテル運営)NPSアンケートの実施頻度が高すぎ、顧客に負担をかけてしまった。アンケートの回答率が低下し、正確なデータ収集ができなくなった。

成功事例からわかるように、NPSを効果的に活用するためには、スコアだけでなく自由記述欄の分析を重視し、顧客の声を真摯に受け止めることが重要です。また、推奨者への適切なアプローチや批判者への迅速な対応も、顧客ロイヤルティの向上に繋がります。失敗事例からは、NPSスコアだけに囚われることなく、顧客の声を丁寧に分析し、適切な施策を実行することの重要性がわかります。さらに、アンケート実施方法にも配慮し、顧客に負担をかけない運用を心がける必要があります。

6. NPSとその他の顧客満足度指標との比較

NPSは顧客ロイヤルティを測る指標として広く利用されていますが、顧客満足度を測る指標は他にもあります。それぞれ指標の特徴や用途を理解し、自社の目的に合った指標を選択することが重要です。ここでは、NPSとその他の主要な顧客満足度指標との違いを比較します。

6.1 CSATとの違い

CSAT(Customer Satisfaction:顧客満足度)は、特定のサービスや商品に対する顧客の満足度を測る指標です。例えば、商品の購入直後やカスタマーサポート利用後に、「今回のサービスにどの程度満足しましたか?」といった質問を投げかけ、5段階評価などで回答を得ます。CSATは、一時的な顧客満足度を把握するのに適しています。

NPSが将来の顧客ロイヤルティを予測するのに対し、CSATは現在の顧客満足度を測る指標であるため、そのスコアの解釈も異なります。CSATは、個別のサービスやプロダクトの改善に役立ちますが、長期的な顧客関係構築への示唆はNPSに比べて少ないと言えます。また、CSATは調査のタイミングに大きく左右されるため、結果の解釈には注意が必要です。

指標目的質問例メリットデメリット
NPS顧客ロイヤルティの測定この企業(商品/サービス)を友人や同僚に薦めたいと思いますか?将来の収益予測に繋がる個別の改善点の把握が難しい
CSAT顧客満足度の測定今回のサービスにどの程度満足しましたか?特定のサービス・商品の評価を把握しやすい調査タイミングに左右されやすい

6.2 CESとの違い

CES(Customer Effort Score:顧客努力指標)は、顧客がサービスや商品を利用する際に、どの程度の労力を要したかを測る指標です。「〇〇をすることはどの程度簡単でしたか?」といった質問を投げかけ、5段階評価などで回答を得ます。CESは、顧客体験における摩擦ポイントを特定し、改善することに役立ちます。

NPSとCESはどちらも顧客体験の向上に繋がる指標ですが、その着眼点は異なります。NPSはロイヤルティ、CESは労力という異なる側面から顧客体験を評価します。CESで低いスコアが出た場合は、顧客体験における手続きの複雑さや分かりにくさといった問題点が示唆されます。これらの問題を改善することで、顧客満足度向上に繋がり、ひいてはNPS向上にも貢献すると考えられます。

指標目的質問例メリットデメリット
NPS顧客ロイヤルティの測定この企業(商品/サービス)を友人や同僚に薦めたいと思いますか?将来の収益予測に繋がる個別の改善点の把握が難しい
CES顧客努力指標の測定〇〇をすることはどの程度簡単でしたか?顧客体験の摩擦ポイントを特定できるロイヤルティとの直接的な相関関係が低い

これらの指標を単独で用いるのではなく、組み合わせて活用することで、多角的な視点から顧客を理解し、より効果的な顧客体験の改善に繋げることが可能になります。例えば、NPSで低いスコアが出ているセグメントに対して、CSATやCES調査を実施することで、具体的な改善点を特定することができます。また、顧客ロイヤルティと顧客努力の相関関係を分析することで、より効果的な施策を立案することも可能です。

7. まとめ

この記事では、NPS(ネット・プロモーター・スコア)の概要、計算方法、アンケート作成方法、活用方法、そして他の顧客満足度指標との比較について解説しました。NPSは、顧客ロイヤルティを測るための重要な指標であり、「あなたは友人や同僚にこの企業(製品/サービス)をどれくらい推奨したいですか?」という質問への回答から算出されます。0~10点の11段階で回答を得て、推奨者(9~10点)、中立者(7~8点)、批判者(0~6点)に分類し、推奨者の割合から批判者の割合を引いたものがNPSスコアとなります。

NPSを活用することで、顧客ロイヤルティの現状把握、顧客体験の改善、解約率の低下、口コミによる新規顧客の獲得といった効果が期待できます。NPSアンケートを作成する際には、推奨度を測る質問に加えて、改善点を尋ねる自由記述欄を設けることが重要です。自由記述欄の分析を通して、具体的な改善策を導き出すことができます。また、NPSスコアだけでなく、スコアの推移や部門別NPSにも注目することで、より効果的な顧客体験の改善を実現できるでしょう。他の指標との比較において、NPSは顧客ロイヤルティに焦点を当てている点が特徴です。CSATは顧客満足度、CESは顧客努力度を測る指標であり、それぞれの指標を目的に合わせて使い分けることが重要です。

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この記事を書いた人

アプリやEC、Webサービス全般のインハウスマーケティングを支援しています。漫画や音楽、プロレス観戦や競馬が趣味です。

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